「デジタル一眼レフカメラを買ったけれど、あれこれボタンやダイヤルがあってよくわからないよ。」、「たくさんボタンがあって操作が難しそう。」と言われるようにデジタル一眼レフ・ミラーレスカメラにはたくさんのボタンやダイヤルがあります。
最初から全部覚えるのではなく、少しずつ体で覚えていくのが一番、あれこれ使っているうちにそのうち指が勝手に動くようになってきます。ここでは、Canonから発売されているミラーレス一眼カメラEOS R50を見本に、基本的なボタンやダイヤルなどの解説をしていきましょう。
カメラ本体正面・前部
①シャッターボタン
シャッターボタンはカメラなら必ずあるボタンですね。通常は右の人差し指で押せるようになっており、半押しでピントを合わせ、押し込むことでシャッターを切ることができます。
②電子ダイヤル
電子ダイヤルは各種設定・条件の切り替えや、再生する画像移動など、くるくると回転させて使います。特にシャッター速度や絞りの数値など、慣れてくるとファインダーを見ながら条件の値を変えることができるため、撮影に集中できます。また、他のボタンを押しながらダイヤルを回すことで一度に複数の設定を人差し指ですることも可能です。
③内蔵フラッシュ
内蔵フラッシュは暗い場所でストロボ撮影をするときに使用します。大半のコンパクトデジカメや、入門機の一眼レフやミラーレスカメラに搭載されています。通常は中に格納されており、フラッシュ撮影をしたいときだけ手で引き上げたり、ストロボ起動ボタンなどを押すことでフラッシュが使えるようになります。
ただし、内蔵フラッシュは小型で威力は小さく、数メートル先のものしか照らすことができません。本格的なフラッシュ撮影はスピードライトと呼ばれる外付けのストロボを使うのが一般的です。
④AF補助光ランプ
AF補助光ランプは、暗闇でシャッターを半押しにすることで、このランプが辺りを照らし、カメラのピントを合わせやすくします。時と場合によっては周りの迷惑になることがあるので、カメラでON・OFFの設定ができますが、当然OFFにすると暗闇ではピントが合わすことが出来なくなります。
これ以外にも、フラッシュ撮影時の赤目軽減として光ったり、セルフタイマーやリモコン撮影時の合図として光ります。
⑤ストラップ取り付け金具
首からかけるカメラネックストラップを通す金具です。反対側にもあります。
⑥レンズロック解除ボタン
交換レンズを取り外すときにこのボタンを押して交換します。不意にレンズが緩んで落下するのを防ぐため、レンズロック解除ボタンを押さないとレンズを緩めることができません。
⑦交換レンズ
一眼レフやミラーレス一眼は、取り外してレンズを交換することができます。広角レンズやズームレンズ、望遠レンズなど、シーンや被写体に合わせてレンズを交換します。
カメラ上部
①撮像面マーク
撮像面マークは、イメージセンサーの位置を表すマークで、レンズ交換式カメラなら本体のどこかに必ず表記されています。これはレンズごとに設定されている「最短撮影距離」の開始点であり、例えば最短撮影距離が30センチメートルのレンズであれば、撮像面マークから30センチメートル離れた場所がそのレンズの最も近くで撮影できる限界場所ということになります。
最短撮影距離はレンズの先端からの距離だと勘違いされている人も多く、撮像面マークがあるとよりシビアに距離を測ることができるようになります。
②録画ボタン
録画ボタンは動画撮影ボタンとも呼ばれ、その名の通り動画の撮影をするときに使うボタンです。近年の一眼レフ・ミラーレス一眼カメラは動画の撮影も優秀で、フルHD動画はもちろん、4K、8K動画が撮影できるカメラもあります。ハンディタイプのビデオカメラとは違い、レンズの特性を活かした画像がそのまま動画になるため、背景がボケた映画やテレビドラマのシーンのような美しい画像が撮影できます。
そのため、独立した録画ボタンを搭載した一眼カメラも登場し、すぐに動画が撮影できるようにシャッターボタンの近くに配置してあります。押すたびに録画・停止となります。
③ISO感度設定ボタン
ISO感度を設定するとに使うボタンです。主に撮影モードが応用撮影モード「AV・TV・P」やマニュアル撮影時に使うことができます。ボタンを押すとISO感度設定モードとなり、電子ダイヤルを回して設定を行います。
④電源スイッチ
電源スイッチはその名の通り電源のオン・オフを行います。場所はメーカーや機種によっても違いますが、すぐ起動できるようにあらかじめ練習しておきましょう。
⑤モードダイヤル
撮影モードを選ぶためのダイヤルです。ダイヤルを回してポジションを選ぶタイプのほか、ボタンで表示させながら切り替えるものもあります。全自動・シーンモード・簡単撮影モード・応用撮影モード・マニュアル撮影・動画撮影などのモードに分かれています。シーンモードや簡単撮影モードや、設定ボタンでさらに細かく設定することができます。
中級機・上級機になると簡単撮影モードやシーンモードは省かれ、応用撮影モードやマニュアル撮影に特化したモードに限定されています。
⑥アクセサリシュー
アクセサリシューは外付けのアクセサリ類を取り付けるための金具で、主にスピードライト(大型のストロボ)やマイクなどを取り付けることができます。使わないときはキャップなどを取り付けておき、定期的に掃除などを行っておくとよいでしょう。
カメラ背面
カメラ背面のボタン配置はメーカーによって大きく異なりなります。⑤や⑧などはほぼメーカー共通で位置しているものの、他のボタンの配置や機能は同じメーカーでも機種によって異なります。
①液晶画面
液晶画面は撮影した画像を再生したり、ライブビューで撮影するときに画像を写し出したり、設定を行う時に使用します。最近ではバリアングル液晶が主流で、角度を変えたりできるので、ローアングルやハイアングル時のライブビュー撮影が容易であったり、ひっくり返して収納することで液晶画面の傷や衝撃を防止できるようになっています。
高級機であるほどドット数(画面解像度)が多く、より自然できめ細やかに表示されます。
②ファインダー
基本はこのファインダーを見ながら撮影するスタイルで、一眼レフカメラであれば、レンズから通った像がそのまま見ることができる光学ファインダーが搭載されています。ミラーレス一眼の場合は、小さな液晶画面や有機ELが搭載されており、ライブビュー画像をファインダーで見ながら撮影します。
後者の場合は液晶画面と同じく、設定などもファインダーを見ながら行うことができ、多彩な表示が可能です。
③ファインダーオンセンサー
このセンサーに顔が近づくと、ファインダーのディスプレイがオンになり、液晶画面が消えます。離れるとファインダーのディスプレイがオフになり、液晶画面が表示されます。撮影に集中できるように無駄な明かりが消えるメリットと、電池の省エネ効果があります。
④視度調整ツマミ
視度調整ツマミはファインダーの近くにあるもので、上下左右にスライドさせたり、クルクルとダイヤルを回すような形になっているものがあります。眼鏡やコンタクトをしたままご自分の目の視力や視度に合わせて、ファインダーの見やすさを調整します。これをしないとピントが合っているのにボケて見えます。初めてカメラを使う場合はもちろん、定期的に目に合わせて調整しましょう。
⑤AE・AFロック及び拡大ボタン
このボタンは露出条件を一時的に固定させたり、設定でAF(オートフォーカス)として使うことができます。一般的にはシャッターボタンを半押しすることでAEやAFをロックさせることができますが、このボタンではシャッターボタンとは別で作動させることができます。慣れた人では「親指AF」と言って、ピント合わせを独立させて撮影している人もいます。そのほかには、撮った画像を再生するときに拡大表示をしたり、ライブビュー画面で拡大をするときにも使います。
⑥AFフレーム選択及び縮小ボタン
このボタンはAFフレームの種類を変更するときに使います。AFフレームの種類はいくつかあり、小さい1点で選ぶものや、広い範囲を選ぶもの、さらに広い範囲で捉えるものや、自動で合わせるものなど様々です。これ以外に撮った画像やライブビュー画面の縮小などに使います。
⑦INFO情報表示ボタン
このボタンは撮影条件を呼び出したり、ファインダーや液晶画面の表示を切り替えたりするときに使います。さまざまな条件や設定がカメラにはあるので、このボタンを押すごとに画面を切り替えたり、任意の情報を呼び出したりして使います。
⑧十字キー
これらは十字キーになっており、メニュー画面で設定を変えたり、上下左右にカーソルを移動させたりして使用します。そのほか、単独では露出補正やセルフタイマー、ホワイトバランスの調整など、よく使う機能をすぐ呼び出せるように割り当てられています。上位機になると、十字キーではなくジョグダイヤル(くるくると回せるようになるもの)もあります。
⑨メニューボタン
メニューボタンは設定や機能を呼び出すときに使います。カメラの様々な条件や設定を決めるときに使うため、各機能の内容はある程度把握しておきましょう。もう一度押すと元の撮影画面に戻ります。
⑩再生ボタン
再生ボタンは今まで撮影した画像を見たり、動画を見るときに使用します。
カメラ底部
①三脚ねじ穴
三脚ねじ穴は、三脚が取り付けられるようになっている穴です。この穴に三脚の雲台と呼ばれる架台を取り付け、三脚にカメラを固定できるようになっています。
②メモリーカード・バッテリー収納場所
ここはメモリーカードとバッテリーを収納している場所です。バッテリーやカードを交換するときは、ここの蓋のロックを外して交換します。バッテリーはほとんどカメラで底面で交換しますが、メモリーカードはカメラの側面から交換できる機種もあります。
ボタンの機能や位置は少しずつ覚えればOK
これだけざっと説明してきましたが、初心者の方には「やっぱり無理かも」と思えるくらい盛りだくさんな内容ですね。
しかし、これらの機能を一度の覚えるのは誰だって無理です。今回の説明はある程度中級レベルな機能も入れてありますので、挫折せずに少しずつ覚えてきましょう。