初めてデジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラを使う人にとって、ファインダーの視度調整はとても大切な作業です。この作業を行わないと、ファインダーに映る画像がボケて見えたり、ピントが合っているのかどうかも目視で確認することができず、撮影に大きな影響が出てしまいます。
しかし意外に知られていない機能であり、初心者の方は見落としがちなので注意しなければなりません。ここでは正しくファインダーが見れるように視度調整の方法についてご紹介いたします。
視度調整はファインダーの見え方を自分の目に合わせる調整のこと
デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラを始めたばかりの人で、「ピントが合っているようだけど、ぼやけて見える」「なんとなくファインダーがボケている」「でも撮影した写真はピントが合っている」という現象に悩まされた経験はないでしょうか。
一見、カメラやファインダーの故障ではないのかと思ってしまいますが、ほとんどの場合、ご自分の目とファインダーの視度が合っていないのが原因です。
コンタクトレンズや眼鏡を新しく購入する際、必ず視力検査などを行って、度の合ったものを選びますよね。それと同じことをカメラのファインダーでも行わないと、度の合わない他人の眼鏡を使っているのと同じ現象になります。
視度がずれているとファインダーを見ていても、なんだかフォーカスマークや表示がボケて見えてしまったり、シャッターボタンを半押しにしてピントが合っている状態なのに、ぼやけて見えるなどの状態になります。
ですから、カメラを手にしたら、撮影前に自分の目とファインダーの視度を調整することから始めましょう。これは一眼レフカメラの光学ファインダーでも、ミラーレス一眼カメラの電子ビューファインダー(EVF)のどちらでも視度調整は必要です。
視度調整の方法
視度調整の方法は、ファインダー近くにあるダイヤルを回すだけです。ダイヤルの位置はカメラによって違いますが、デジタル一眼レフカメラの場合は、ファインダーの左右どちらに回すつまみがあります。光学ファインダーはもちろん、画面を用いた電子ビューファインダーでも調整が必要で、ファインダの下や裏側に隠れている場合もあります。ダイヤルで回すものや、左右上下にスライドさせて調整させるようなものがあります。
視度調整にはプラス方向とマイナス方向があり、ファインダーを見ながらダイヤルをどちらかに回し、最も鮮明に見える状態のところで止めます。遠視や老眼の方はプラス方向へ、近視の方はマイナス方向へ調整しましょう。普段からコンタクトレンズや眼鏡をかけている人は、眼鏡などは外さずそのまま調整を行います。
鮮明に見る目安の場所としては、フォーカスフレームの四角い枠や、ファインダーの情報表示が出ている文字などを見るとよいでしょう。ピントが合っていないと周りの景色はいくら調整してもボケたままです。
視度調整はほとんどの視力域で調整することができますが、遠視や近視での裸眼で撮影する場合はいっぱいまで調整しても合わない場合があります。そんなときは別売りの視度補正レンズを装着するようにしましょう。
視度調整を一度行うと、よほど目の状態が変わらない限り毎回調整する必要はありませんが、何かの拍子にダイヤルが動いてしまうこともありますので、定期的にチェックするとよいでしょう。また、他人にカメラを貸すと高確率で視度調整されてしまうので、返ってきたらもう一度視度を自分の目に合わせ直しましょう。
視度調整をしてもファインダーがぼやけて見える場合は
視度調整をしっかり行えば、ぼやけて見えることはありませんが、視度調整後にファインダーがぼやけて見える場合は、以下のような原因が考えられますので、一度チェックしてみましょう。
レンズのフォーカスモードがMFになっている
ピンボケ状態になっていれば、どれだけ視度調整をしてもファインダーから見える画像はぼやけて見えます。シャッターボタンを半押ししてもピントが合わない場合は、レンズのフォーカスモードがMFになっている可能性があります。レンズのスイッチをAFに切り替えたり、カメラ側でフォーカスモードを変更しましょう。ファインダーのフォーカス枠や情報表示などははっきり見えているのに、写っている画像がぼやけている場合は、ほとんどがピンボケ状態が原因です。
レンズやファインダーが曇っている
急にカメラを冷たい場所から暖かい場所へカメラを移動した場合、レンズやファインダーが結露して曇ってしまうことがあります。レンズやファインダーを確認し、曇っていないか確認しましょう。
また寒い場所では、自分の息などでファインダーが曇ってしまうこともあります。このほか、手や顔の皮脂などで汚れていることもありますので、こまめにチェックしてふき取るようにしましょう。
ファインダーの視度調整をしよう まとめ
- 初めてデジタル一眼レフ・ミラーレスカメラを使う際、視度調整は必ず行う
- 視度調整をしないとファインダーがボケて見えてしまう
- 視度調整はファインダー周辺にあるダイヤルやつまみで行う
- ファインダーのフォーカス枠や情報表示などが最もはっきり見える場所に調整する
- 定期的に視度調整を行い、誰かに貸した後は必ず行う
- 視度調整してもボケて見える場合は、他の原因を疑う
正しく撮影を行うためには、しっかりと自分の目とファインダーを合わせることが大切ですが、初めてデジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラを扱う人にとっては知らない機能でもあるため注意しなければなりません。上記を参考にしてファインダーの視度調整を行ってください。