カメラの被写界深度とは

被写界深度はピントが合って見える範囲のことを指し、レンズの絞り方や、カメラから被写体までの距離によってピントが合って見える範囲が変化します。被写界深度を操れると「ボケ」や「パンフォーカス」など、写真のバリエーションがアップします。

ここではピントと被写界深度について理解を深めていきましょう。

ピントが合わない範囲はボケる

カメラでピントを合わせると、合わせた場所はくっきりシャープに写りますが、奥や手前はボケてしまいます。これは、カメラのピントはレンズと光の構造上平面でしか合わず、それ以外の場所はピントが合わずにボケてしまう性質があるからです。ピントが合っていないところは、いわゆる「ピンボケ」という状態です。

なかなか言葉だけではわかりづらいかと思いますので、下のような実験を行いました。

カメラの被写界深度とは

机の上に図のようにいろいろなものを並べ、斜めにメジャーを置いてみました。そこから矢印の方向へレンズを向けて写真を撮ってみます。ピントはムヒに合わせて固定し、絞りの条件を変えて撮影してみました。

カメラの被写界深度F1.4
カメラの被写界深度F2.8
カメラの被写界深度F5.6
カメラの被写界深度F8
カメラの被写界深度F14

上の写真のように、F値が小さいほど手前や奥がボケやすくなり、F値が大きいほど、手前も奥もピントが合って見えるようになります。メジャーの数字もF5.6辺りから手前や奥も読めるようになってくるのがわかると思います。

絞りを変えることで、ピントが合って見える範囲が狭くなったり、広くなったりすることが分かります。

被写界深度でピントが合って見える範囲

上の図の赤い線はピントを合わせた面で、ピンクの枠はピントが合って見える範囲(空間)です。ピントが合っている部分は厳密に言うと面であり、完全にピントが合う場所は上記の図の赤い線上の部分のみです、しかしながらピントが合って見える範囲はそれより広く、ピンクの枠の部分ではくっきりシャープに写っているように見えます。

ピントが合って見える範囲のことを被写界深度と呼ぶ

見ての通り絞り値F1.4ではピントが合って見える範囲はごくわずかですが、F5.6では少し広がり、F14では机の大半はピントが合って見えるようようになります。このピンク色の部分が被写界深度であり、F1.4のようなピントが合って見える範囲が狭いものを被写界深度が浅いと呼ばれ、逆にF14のようにピントが合って見える範囲が広いものを被写界深度が深いと呼ばれています。

被写界深度は「絞り」「焦点距離」「撮影距離」で変わる

上記の実験は単に絞りの値のみを変えて行いましたが、被写界深度は絞りだけで変わるものではなく、レンズの焦点距離やカメラから被写体までの撮影距離によっても変化します。

被写界深度は「絞り」「焦点距離」「撮影距離」で変わる

上の表は、被写界深度が浅くなる(ピントが合って見える範囲が狭い)要素と、深くなる(ピントが合って見える範囲が広い)要素の一覧をまとめたものです。

例えば、焦点距離が長いレンズ、つまり望遠レンズを使えば被写界深度が浅くなりますし、広角レンズを使えば深くなります。また、カメラから被写体への距離が近いほど被写界深度が浅くなり、遠いと深くなります。

要約しますと、絞りを開放し、望遠レンズで近くのものを撮るほど奥がボケやすくなり、広角レンズで絞り込みながら遠くのものを撮るほど全体にピントが合って見えます。

露出の組み合わせは1つではなく、その時の条件や仕上がりで使い分けることが大切

ボケとパンフォーカスを上手に使い分ける

ここでは被写界深度の説明だけにしておき、上手に背景をぼかす方法などについてや、全体的にピントが合ったパンフォーカス写真を撮る方法などは別項目にてご紹介させていただきますが、この被写界深度をコントロールすることが、デジタル一眼レフカメラの醍醐味でもあり、楽しみ方の1つでもあります。

特に被写界深度が浅いボケを活かした写真は、スマホのカメラやコンパクトデジタルカメラでは構造上難しいため、デジタル一眼レフカメラを持っている人にしか味わえない魅力があります。

被写界深度を浅くしてボケを楽しむ写真を撮る

被写界深度を浅くしてボケを楽しむ写真を撮る

デジタル一眼レフカメラの得意分野であるボケを活かした写真は、これぞ写真!という世界を作り出してくれます。

ピントが合って見える範囲を狭くすることで、手前の被写体や背景を綺麗にぼかすことができるようになります。望遠レンズで撮影すると比較的ボケを簡単に撮影することができますし、できるだけ被写体に寄る、絞りを開放することで、広角レンズでもボケが美しい写真を撮ることもできます。

一眼カメラにしか出せない魅力を、思う存分楽しめることでしょう。

被写界深度を深くすれば、風景などのパンフォーカス写真もばっちり

被写界深度を深くすれば、風景などのパンフォーカス写真もばっちり

被写界深度を深くすれば、写真全体にピントが合わすことができます。建物の中や風景などは広角レンズを使うことでピントの合う範囲を広げることができますし、できるだけ遠くの被写体にピントをあわせることで、さらに被写界深度を深くできます。滝のようにある程度遠近差があるような被写体では、絞りを絞ることで全体にピントを合わせることも可能です。

被写界深度とは まとめ

  • 被写界深度はピントが合って見える範囲にこと
  • ピントが合う場所は面だが、ピントが合って見える範囲は空間で存在する
  • 絞りを変えることで、ピントが合って見える範囲は変化する
  • ピントが合って見える範囲が狭いことを、被写界深度が浅いという
  • ピントが合って見える範囲が広いことを、被写界深度が深いという
  • 被写界深度は絞り以外に、撮影距離や使うレンズの焦点距離によっても変化する
  • ボケを活かすなら被写界深度を浅く、風景などは被写界深度を深くするとよい

このように被写界深度を自在にコントロールすることで、思い通りのイメージを写真にすることができるのではないでしょうか。詳しい実践編は後にするとして、まずは被写界深度の意味をしっかり理解するようにしましょう。

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