シャッター速度とは

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シャッター速度・シャッタースピードは、絞りと同じくらい写真を撮影するうえで大切な要素の1つです。シャッター速度が理解できれば写真に動きをつけることができるようになります。「写真は静止画なのに動き?」と思われるかもしれませんが、撮影する被写体の種類によってシャッター速度を上手に変えることが上達への近道です。

ここでは、あまり難しいことは説明せず、シャッター速度とは何かというところから、簡単にご説明していきたいと思います。

カメラのシャッターって何

シャッター速度を説明する前に、そもそもカメラのついているシャッターのことからお話したいと思います。

シャッターとは、よく事務所やお店の前にある金属製の巻き上げ式の扉をイメージするのではないでしょうか。当然開けたり閉めたりできますよね。カメラにも似たようなものが搭載されており(構造は店のシャッターとは全然違いますが・・・)シャッターを開けたり閉じたりすることで、光を通したり、遮断したりできるようになります。

シャッターはレンズではなく、カメラ本体に搭載されています。撮影するときはシャッターが開いて光が一定時間イメージセンサーに当てることができます。

シャッター速度とは光を当てる時間のこと

シャッター速度とは、光をイメージセンサーに当てる時間のことで、別名で露出時間・露光時間とも言います。言葉で説明するのはちょっと難しいですが、シャッターが開いてる時間といった方が分かりやすいかもしれませんね。

もっとかみ砕くと、トースターで食パンをトーストすると思ってください。程よいキツネ色に焼くためには、パンに熱を当てる時間を調整しないといけないですよね。光をイメージセンサーに当てる時間のことを、食パンに熱を当てている時間だとイメージすると、つかみやすいかもしれません。

いよいよ撮影するとき、シャッターボタンを押して、「カシャ!」と音が鳴った一瞬の間だけシャッターが開き、撮像素子(イメージセンサー)に光が届きます。

撮影を楽しむ上で、光を当てる時間と光を当てる量はとても重要で、時間と量との組み合わせによって写真の出来栄えが決まってしまいます。光を当てる時間はシャッター速度で調整、光を当てる量は絞りにて調整します。

先ほどのトーストの話に置き換えると、トースターのパワーとタイマーの時間によって、食パンの焼け具合が変わってきますよね。焼く時間はタイマーで調整して、焼く強さはボタンやダイヤルで調整するわけです。

例えば、明るい日中の屋外での撮影と、薄暗い夕暮れ時の撮影とでは、明るさが全く異なります。これによりシャッター速度を調整して、常に適切な光の量をイメージセンサーに当てる必要があります。

明るい場所でシャッター速度が遅いと、光が入りすぎて撮った写真がまぶしく真っ白になってしまいます、逆に夜の暗い場所でシャッター速度が速いと、十分な光を取り込めず、真っ黒な写真になります。

シャッターが開いている時間ってどれくらい?

シャッターが開いている間だけイメージセンサーに光を当てるといいましたが、実際にはどれくらいの時間シャッターが開いているのでしょうか。

明るい場所では、シャッターが開いている時間はほんの一瞬です、目をまばたきするよりずっと速いですね。場所によっても違いますが、数百分の1秒、数千分の1秒という世界です。明るい場所ではイメージセンサーに入る光の量も多いので、それだけ短い時間にしなければならないのです。トーストに例えると、太陽に直火でトーストするような感じですね。あぶる時間は一瞬でいいのです。

次に暗い場所ではどうでしょうか。暗い場所で撮影すればするほどシャッターが開いている時間は長く必要になります。夕暮れや室内では数十分の1秒、意図的にシャッター時間を長くする撮影・・・例えば滝などは数秒、夜景撮影ともなると10秒や20秒、星明りのような場所ならもっと長くといった長時間シャッターを開くこともあります。

しかし、シャッター速度が遅くなればなるほど、カメラをしっかり固定しておかないと、手ぶれ現象を起こしてしまい、写真がぶれたりボケてしまうようになります。ですから、シャッター速度を遅くして撮影する場合は、三脚などにカメラを固定して撮影しなければなりません。

このシャッター速度を自在に操れるようになると、猫が飛んだ瞬間や、水しぶきの跳ねた様子、また流れる滝や夜景などのこだわった写真が撮影できるようになります。

スローシャッターにすれば流れる滝が撮れる

シャッター速度をゆっくりにすることで、流れる滝を線のように再現することもできます。(上の滝の写真はシャッター速度2秒)

任意の時間だけシャッターを開ければ、花火も撮影できます

任意の時間だけシャッターを開けて、花火を大輪を撮影することもできます。(上の写真はシャッター速度9秒)

長時間露光で美しい夜景を撮る

さらに長時間シャッターを開けっ放しにして、美しい夜景も撮影できます。月明りでうっすらしか見えない風景も、長くシャッターを開けることで明るく撮影することができます。(上の写真はシャッター速度97秒)

シャッター速度を速めれば、水しぶきが跳ねる様子も撮影できる

逆にシャッター速度をとても速くして、水しぶきが跳ねる様子を撮影することもできます。(上の写真はシャッター速度2000分の1秒)

シャッター速度の調整には撮影する場所の明るさ、前述した絞りなど、様々な要素がかかわってきますが、ここでは初心者向けの説明なので、「シャッター速度=光をイメージセンサーに当てる時間」というのを覚えておいてください。

シャッター速度 = 光をイメージセンサーに当てる時間

シャッター速度の表記は

シャッター速度の単位は秒であり、1秒未満は分数、1秒以上は小数点、4秒以上は整数として表示されるのが一般的です。

液晶画面や電子ビューファインダーの表示の場合は、1/200や1/4000など、分数で表示されます。光学ファインダーの内部に表示しているものや、一眼レフカメラの簡易液晶表示画面などでは分数が表示されず、単に200や4000ほ表記されます。

1秒以上の場合は両者とも「0″5」(0.5秒)や「3″2」(3.2秒)などと表示され、4秒以上になると「6″」(6秒)、「20″」(20秒)と表示されます。

手動で最も長く設定できるのは30秒までで、それ以上のスローシャッターにするにはタイマーを使ったり、リモコンでバルブ撮影をする必要があります。

シャッター速度で露出(明るさ)が変わる

下の写真はそれぞれシャッター速度が適正、速い、遅いの3つの設定で撮影しています。 同じ絞り値、つまり光がセンサーに当たる光の量が同じだった場合、シャッター速度で写真の明るさの出来栄え(露出)に左右されるので、注意しておきましょう。

シャッター速度が適正な場合

シャッター速度が適正

シャッター速度とイメージセンサーに入る光の量が釣り合うと、ちょうどいい明るさで撮影できます。トーストでいえば、カリッとキツネ色でいい感じの仕上がりです。

シャッター速度が速すぎる場合

シャッター速度が速すぎる

シャッター速度が速すぎる(とても短い)と、イメージセンサーに十分な光が当たらず、写真のように暗い仕上がりになってしまいます。トーストでいえば、ほとんど焼けていない状態です。

シャッター速度が遅すぎる場合

シャッター速度が遅すぎる

シャッター速度が遅すぎる(長い時間)と、イメージセンサーに光が当たりすぎて、写真のように明るい仕上がりになってしまいます。トーストでいえば、焼けすぎて焦げてしまっている状態です。

ただし写真の世界では、どれが正解という答えはありません。明るめに仕上げたり、暗めに仕上げたりなどは、個人の自由だからです。シャッター速度を操れるようになると、あえて暗い写真に仕上げたり、明るい写真にしたりなど、自分の仕上げたい明るさにすることができます。

オート撮影では、カメラが自動的にシャッター速度を調整してくれる

シャッター速度の調整機能は、コンパクトデジタルカメラやスマートフォン、タブレットのカメラでも内臓されています。私たちが普段何気なく撮影しているときも、カメラ側が自動的にちょうどいい明るさになるようにシャッター速度を調節してくれています。

デジタル一眼レフカメラや、高性能なデジタルカメラになると、シャッター速度を自分で変えることができるため、より表現力の高い設定で写真が撮れるようになります。

シャッター速度とは まとめ

  • シャッター速度とは光をイメージセンサーに当てる時間のこと
  • シャッター速度は数千分の1から、1分以上の場合もある
  • シャッター速度を変えることで、動きをつけたり、止めたりすることができる
  • シャッター速度を変えることで、写真の明るさを変えることもできる
  • オート撮影では、カメラが自動的にシャッター速度を調整してくれている

シャッター速度の詳しい解説は、また別の場所でご案内させていただきます。ここではシャッター速度は光を通す時間というのを覚えておきましょう。絞りとシャッター速度が理解できたら、いよいよ露出の解説へ進んでいきたいと思います。

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