レンズプロテクターの役割と使い方

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レンズプロテクター、保護フィルターはデジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラを手に入れたら、いち早く取り付けていただきたいアクセサリーの1つです。レンズの先端の汚れや傷、ホコリなどの侵入を防いでくれる頼もしいアイテムです。

ここでは初心者必須ともいえるレンズプロテクターの特徴と役割についてご紹介していきたいと思います。

レンズプロテクターの役割

レンズプロテクターはその名の通り、レンズを守るという役割があり、レンズ本体の前玉(一番先頭のガラスレンズ)の汚れや傷などを防ぎ、ホコリなどの異物の侵入も防いでくれます。

デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラの交換レンズの先端には、ネジ山が切ってあり、さまざまなレンズフィルターが取り付けられるようになっています。言わばペットボトルのキャップと同じで、外したり取り付けたりできるわけです。

レンズフィルターはさまざまな効果があるものがありますが、その中でも、常に装着して使うのがレンズプロテクターであり、カメラ業界では最もポピュラーなアイテムです。

レンズプロクターは汚れを防ぐ(身代わりになってくれる)

レンズプロテクターの恩恵として最も大きいのは、レンズ先端の汚れを防いでくれることですね。防ぐと言いましても、厳密には変わりに受け止めてくれるという意味ですね。

レンズの先端は結構汚れやすく、レンズ交換の際や、キャップの取り外しなどに付着するご自身の指紋のほか、雨や湿気、水しぶきでの水滴の付着など、レンズの先端は汚れやすいものです。

プロテクターがあれば、身代わりになってくれますから、拭き取り掃除もプロテクターのみで済むので、レンズ本体はノーダメージです。

レンズプロクターは傷を防ぐ(身代わりになってくれる)

カメラの交換レンズの前玉(先端ガラス)は、様々なコーティングが施されており、非常にデリケートです。レンズキャップやご自身の爪が接触しただけでも、その蓄積でダメージが懸念されますし、レンズ先端を何か硬いものぶつけようものなら、最悪レンズの修理が待っています。

レンズプロテクターはレンズの傷を受け止めてくれるという点でも非常に有用です。万が一レンズプロテクターに傷をつけてしまっても、プロテクターを買い替えればまた元通りです。修理に比べればはるかに安い費用で交換できますから、保険のためにもレンズプロテクターを装着したいところです。

落下による衝撃も場合によっては防いでくれる

これは運要素も高いですが、落下による衝撃も打ちどころによってはレンズプロテクターが吸収してくれる場合があります。レンズを落として「レンズプロテクターは割れてボロボロになったが、前玉は無事だった」という話も聞かれます。

特にレンズ本体のネジ山が衝撃などで変形してしまうと、確実に修理となってしまいますが、運よくレンズプロテクターが変形したものの、レンズ本体のネジ山は無事だった・・・ というケースもあるので、どちらにしてもレンズプロテクターは保険の意味でも安心です。

レンズフードとレンズプロテクターは違う?

レンズ周りの似たようなアイテムで、レンズフードというものがあります。

レンズプロクターとレンズフードは別物と考えましょう。例えばご自身の目がレンズだったと例えると、レンズプロテクターは眼鏡、レンズフードはヘルメットや帽子だと思えばイメージしやすいと思います。

レンズプロテクターとレンズフードは別物であって、効果もそれぞれ違う

レンズフードは日差しや余計な光の侵入を防いだり、落下や衝撃によるショックを防いでくれる役割があり、一部の防御機能としてはレンズプロクターと重なっているところはあるものの、レンズフードは別の機能も持っています。

レンズプロクターがあるから、レンズフードは不要ということではなく、レンズフードがあれば、プロテクターは要らないということでもありません。2つあれば更に防御効果が増しますので、レンズフードも併せて装着してください。

レンズプロクターを取り付けると画質が低下する?

よくある質問として、レンズプロクターを装着すると画質が落ちるのではないかという声を聞きます。

厳密にいうと画質は低下しますが、それは本当に厳密に計測すればの話です。日常使用において、レンズプロテクターのあり、なしで撮り比べたものを比較しても、多分その差はわからないと思います。

レンズプロクターは非常に薄いガラス板でできており、レンズのガラス面と並行に取り付けられているため、反射や屈折の影響も少なく、画質低下の懸念はないと考えておけばよいでしょう。

中には「レンズプロテクターは邪道」「画質が劣化するので不要」「ガラスを取り外して枠だけ」というような猛者もいますが、取り付けるメリットのほうがはるかに大きいので、初心者の方は積極的に取り付けをおすすめします。

以前では面反射率が0.5%程度であれば十分というスペックでしたが、最近では面反射率が0.1%という驚異的なレンズプロテクターも発売されていますので、どうしても画質の面を気にされるようでしたら、後者のほうを選んでもよいかと思います。

それよりレンズプロテクターが指紋や水垢、ホコリの付着などで汚れているほうが画質低下のリスクが大きくなります。撮影前にはブロアーやクロスでホコリや汚れをクリーニングしておきましょう。

レンズプロテクターを使う際の注意点

超広角レンズに取り付ける場合、ケラレに注意

レンズプロテクターの種類によって枠の大きさが異なり、標準枠・薄枠の2種類が流通しています。一部のPLフィルターで超薄枠もありますが、レンズプロテクターの超薄枠はあまり流通していません。

レンズプロテクターの枠の種類

初心者が扱うキットレンズ程度の広角焦点距離(広角側がAPS-Cで18mm、フルサイズで24mm)であれば、どんなレンズプロテクターを装着しても問題ありませんが、超広角レンズの焦点距離(APS-Cで10mm以下、フルサイズで16mm以下)になると、薄い枠のレンズプロテクターを装着しないと、ケラレ(枠の写り込み)が発生する恐れがあります。

レンズプロテクターのケラレ

わかりやすいように白い壁にカメラを向けて撮ってみました、四隅に黒い影が映っていますよね。超広角レンズで枠の厚いフィルターを使用すると、このように四隅がケラレて写り込むことがあります。

焦点距離の短いレンズを使用する際は、できるだけ枠の薄いレンズプロテクターを使用しましょう。

前玉が飛び出している超広角レンズや魚眼レンズには取り付けできない

超広角レンズや魚眼レンズでは、前玉(先端のレンズ)が出目金のように球状に飛び出しているものがあります、これらは物理的にレンズプロテクターを取り付けることができないので注意しましょう。

上の写真のような前玉が飛び出したレンズにはレンズプロテクターが取り付けられません。レンズフィルターを購入する前に、取り付け可能かどうかをチェックしましょう。

レンズと同じ直径(フィルター径)のレンズプロテクターを準備する

はっきり言いまして、これが一番大事で大切です。何も考えずに購入してしまうと、後で後悔することも…

レンズにはフィルター径と呼ばれるものがあり、フィルターやレンズプロテクターを取り付けるサイズ(直径)が決まっています。APS-Cの小さいレンズほど直径は小さくなり、明るい大口径レンズほど直径が大きくなります。

レンズを見ればフィルター径がどこかに記載されています。上の写真では正面の上部にΦ52mmと表記されているので、フィルター径は52mmという意味です。

レンズによっては側面や違う場所に記載されている場合もあります。上のレンズではΦ77mmとなっていますので、直径は77mmのレンズフィルターを用意すればいいですね。

また、フィルター径はレンズキャップにも記載されていますので、レンズ本体側で見つけられないときは、キャップの裏側を確認してみてください。上の写真は左からΦ77mmとΦ52mmですね。

サイズとしては直径36mmから82mmまで幅広いラインナップがあり、分別すると10種類以上に分かれています。もちろん同じサイズでないと装着はできないため、異なる口径のレンズを持っている場合は、それぞれの口径に合わせたレンズプロテクターを準備する必要があります。

レンズプロテクターの取り付け方

それでは、実際にレンズプロテクターを取り付けていきましょう。レンズプロテクターは、取り付ければそのままつけっぱなしにすることが多いので、最初が肝心です。

取り付ける前にレンズ先端の汚れやホコリを取り除く

レンズプロテクターとレンズの間にゴミやホコリがあると、閉じ込められてしまいます。レンズプロテクターを取りつける前には、レンズ先端の汚れやホコリをしっかり取り除いておき、バッチリな状態にしましょう。

少しでもホコリやゴミが入ってしまうと、ずっと入ったままになってしまうので、取り付ける際も素早く行いましょう。

レンズプロテクターの内側のガラス面に触れないように

レンズプロテクターをレンズに取り付ける際、レンズ表面に触れないことは大前提ですが、うっかりプロテクターのガラス面にも触れないように注意しましょう。プロテクター外側であれば、装着し終わってからでもクリーニングできますが、内側に指紋がついてしまうと、また外してクリーニングし直しになりますので、取り付ける際には注意しましょう。

レンズプロテクターの枠の持ち方

レンズプロテクターの枠は上の写真のように枠だけを持つようにしましょう。できるだけホコリが付着しないように、プロテクターの内側を下に向けておきます。

レンズプロテクターの枠の悪い持ち方

持ち方の悪い例。これは極端な例ですが、内側を触ってしまうと装着した後からクリーニングができなくなります。

ネジを締めすぎない

ジャムの蓋が硬くて緩まない・・・そんな経験を一度や二度はあるかと思いますが、レンズプロテクターでも同じ状況となる場合があります。レンズプロテクターのネジは軽く止まる程度にしておき、あまり強くねじ込まないようにしましょう。

上の写真のように力を入れてねじ込みすぎると、まさしくジャムの蓋と同じようになってしまいます。ジャムなら二人がかりで無理やり開けることもできますが、レンズはそういうわけにはいきません。

無理やり外すとレンズに負荷をかけてしまったりするため、どうしようもない場合はフィルターレンチなどを使って外しましょう。

レンズプロテクターを取りつけた後は

普段の汚れはブロアーやクロス、レンズペンでクリーニング

レンズプロテクターのお手入れは、普段のレンズのお手入れと何も変わりありません。大きいゴミや埃を先にブロアーで吹き飛ばし、クリーニングクロスやレンズペンを使ってクリーニングします。

レンズ同様キズがつきやすいので、ティッシュやその辺の布で拭くのは控えましょう。

レンズプロテクターはつけっぱなしでいい?

レンズプロテクターは基本つけっぱなしで大丈夫です。むしろそうしたほうがよく、何度もつけたり外したりするほうが、レンズ本体にダメージを与えてしまうリスクが高くなります。

レンズプロテクターとレンズの間に大きなゴミが入り込んでしまうなど、どうしても取り外して再度クリーニングが必要というとき以外は、つけっぱなしで保管しましょう。

ほかのフィルターを装着するときはどうする?

状況によっては、偏光フィルターやNDフィルターなど、別のフィルターを取り付けることがあるとは思いますが、ケラレなどの影響がなければ、プロテクターを装着したまま、その上からほかのフィルターを取り付けてしまっても構いません。

上の写真は、レンズプロテクターの上に、さらに偏光フィルターを装着して2枚重ねにしたものです。レンズプロテクターには、他のフィルターを重ね装着できるようにネジ山が切ってあります。2つくらいまでなら問題なく装着できます。

ただし、前述したように枠に枠を重ねていきますので、四隅に枠が写り込む可能性があります。望遠側では問題ありませんが、広角側では写り込みに気を付けてください。

画質の影響を極力少なくしたい・枠が写り込んでしまうなど、影響がある場合は、レンズプロテクターを外してから他のフィルターを装着してください。

レンズプロテクターの寿命は?

偏光フィルターには寿命があるのに対し、レンズプロテクターはガラス板なので、寿命で劣化する心配はありません。ただし、常時つけっぱなしにするものなので、少しずつ傷やくもりなど、レンズ表面が外的要因によって劣化していきます。

クリーニングでも落とせないような傷や汚れがあれば、交換するようにしましょう。

管理人おすすめのレンズプロテクター

ここでは筆者おすすめのレンズプロテクターをご紹介いたします。さまざまなメーカーからレンズプロテクターが発売されていますが、レンズフィルターの老舗ケンコーの製品を選んでおけば間違いないかと思います。

(ここでは初心者向けのレンズに多い58mm径のものをご紹介しますが、実際に買う場合はレンズに合った直径のものを購入ください)

Kenkoから発売されている撥水・防汚コーティングがされているコストパフォーマンス抜群のレンズプロテクターです。初心者用の最初のレンズとしての保護フィルターとして人気があります。価格も58mmで千円台程度と、とても手ごろなため、まずは1つ購入してみましょう。

KenkoのPRO1Dシリーズは、薄型枠で広角レンズでも写り込みの心配がない安心設計です。安定のベストセラー品で、面反射は0.5%以下、撥水加工なしタイプとなります。晴れた日中心の風景や日常スナップなど、幅広くこなすおすすめ品です。筆者も愛用しています。

ここからは本気レンズ用の高級レンズプロテクターのご紹介です。初心者の方がいきなり買うには少しオーバースペック気味ですが、予算に余裕があるのならチェックしてみてもいいですね。面反射が0.3%以下、さらに面精度も高いため、画質の劣化が極めて低い仕様となっています。価格も一般的なものの2倍以上となりますが、価格に似合う性能を期待できますね。

レンズプロテクターの役割と使い方 まとめ

  • レンズプロテクターはレンズの前玉の身代わりとなり、傷や汚れをガードしてくれる
  • レンズプロテクターとレンズフードは別物、それぞれ装着することで防御力が増す
  • 取り付ける際はケラレや前玉の形状、レンズのフィルター径に気を付ける
  • レンズプロテクターを取りつける際は、まずレンズ自体のクリーニングをしっかりと
  • ガラス面の内側の汚れやねじ込みすぎに注意
  • 基本はレンズにつけっぱなしでOK。取り付けたままクリーニングも可能

初心者の方では以外に知られていないレンズプロテクター、撮影スポットに行くと、まだまだつけておられない人もたくさん見受けられます。普段から汚れやホコリの侵入を防いでくれるアイテムですので、新しいレンズを手に入れたらぜひチェックしてみてくださいね。

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