デジタルカメラで記録した写真や動画をパソコンに取り込む際「何だか遅いなあ」と感じることはありませんか?高性能なSDカードを準備しても、SDカードリーダーやパソコンのUSB端子の種類によっては、読み書きする速度が遅くなってしまうことがあります。
ここでは、取り込みが遅くなってしまう原因や、SDカードリーダーの選び方やポイントについてご紹介していきたいと思います。
SDカードリーダーとは
SDカードリーダーとは、SDカードに保存されているデータをパソコンなどに転送、またはその逆の書き込みなどができるものを言います。
デジタルカメラを使わない場合は、USBメモリーにデータを保存したり、クラウド上に保存してやり取りすることが多くなってきたので、日常生活ではあまり使われなくなってきました。
SDカードリーダーは、一部のノートパソコンやデスクトップパソコンにあらかじめ搭載されているものもあれば、外付けタイプと言いまして、主にUSBでパソコンに接続できるものがあります。
パソコン内蔵型のSDカードリーダー
SDカードリーダー(SDカードスロット)は、あらかじめパソコンに内蔵されているものがあります。
ノートパソコンですと、パソコンの左右どちらかの側面や前面に搭載されています。しかし、近年では前述したようにUSBメモリーやクラウドに保存することも多くなってきたため、薄型・小型のノートパソコンを中心に、SDカードスロットが省かれている機種も多くなってきました。
デスクトップパソコンでは、本体の前面にSDカードスロットが内臓されているものが多くあります。一昔前のパソコンですと、パネルに隠れていたり、パネルの扉を開けたりずらしたりすることで、SDカードスロットが見えるものもあります。
パソコンに内蔵されているSDカードリーダー(SDカードスロットは)コストを抑えるために安いパーツやコントローラーが使われていることが多いため、普段の小さいデータを読み書きする場合は問題ないものの、デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラで撮影した大きい写真データや動画データを転送すると、遅さを感じることがあります。
「どれくらいのスピードが出るか」というのは、あまり説明書や仕様書にも記載されていないことが多く、ずっとそれを使っていたがために、その速度が当たり前と思っている人も少なくありません。
外付けのSDカードリーダー
外付けのSDカードリーダーは、その名の通りパソコンとは別に購入して取り付けるタイプのものです。
外付けタイプには主に3種類あり、用途によってさまざまなものが発売されています。
USB一体型のSDカードリーダーは、その名の通りUSB端子とリーダーが直結されているタイプです。持ち運びがしやすくコンパクトで便利なのが特徴です。
USBセパレート型はUSB端子とリーダーが別々になっており、ケーブルで繋がっているタイプです。パソコン裏面のUSB端子に接続するなど、取り回しがしづらいときや、他のUSB端子が干渉して一体型が接続できないときに使います。
USBマルチ型はSDカードをはじめ、コンパクトフラッシュやメモリースティックなど、他の規格のメモリーカードを読み書きできるマルチタイプのカードリーダーです。デジカメ記録など、SDカードしか使わないというのなら、無駄な機能なので購入する必要はありません。
外付けタイプのSDカードリーダーは、アクセス速度が速いものが多く、高速読み書きができるカードを使うことで素早くパソコンにデータを記録することができます。
外付けSDカードリーダーの接続方式はUSBかWi-Fi
SDカードリーダーとパソコンをつなぐケーブルはUSBで接続する方法が一般的です。USBにはタイプAという形式と、タイプCという形式があります。
USBタイプAにはUSB1.0・USB2.0・USB3.0という規格があり、現在出回っている大半のパソコンは、USB2.0とUSB3.0になっています。
USBタイプCは、スマートフォンやタブレット、最近のノートパソコンに搭載されている規格で、USBタイプAよりも小さく、どちらの方向でも挿入できるのが特徴です。
このほか、Wi-Fi接続できるSDカードリーダーも一部発売されていますが、今回は対象外させていただきます。
USB端子・SDカード・カードリーダーの3つの速度が重要
デジカメの大きな写真データなどを、いかに素早くパソコンに取り込めるかは、USB端子の種類・SDカードの性能・カードリーダーの性能の3つが重要で、どれか1つでも欠けてしまうと、素早く読み書きができなくなります。
上の図のように、SDカード、カードリーダー、接続するUSB端子のすべてが高速アクセスに対応している場合は、素早くパソコンにデータを取り込むことができます。
高性能なSDカードリーダーと、高速アクセスできるUSB端子に接続しても、SDカードそのものがしょぼいと、最初のところで低速となってしまい、低速のままパソコンにアクセスされていまいます。
今度は、いくら高性能なSDカードと、高性能なSDカードリーダーを使っても、パソコンへ取り込むUSB端子が遅いタイプのものだと、途中で速度が遅くなってしまい、結局は低速でしか取り込むことができなくなります。
SDカード、リーダー、USB端子は3つセットで速くしないと意味がない
まずはお手持ちのSDカードをチェック
SDカードリーダーを考える前に、まずはお手持ちのSDカードのチェックを行いましょう。
パソコンへ高速で取り込むようにするためには、SDカードのアクセス速度性能が左右されます。
上の表はSDカードのスピードクラスの表ですが、SDカードを見ると、どこかにこのような数字が記されているかと思います。これ以外にもマニアックな規格がまだあるのですが、ここは初心者向けのサイトでもあり、SDカードの種類によっては記載されていない規格もあるので、上の表の記号だけ押さえていただければと思います。
ざっと見ていただければわかりますが、表の一番左側の欄が最低動作保証をしているアクセス速度となります。デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラの記録用としては、30MB/秒以上のカードを準備していただければ十分な性能かと思いますので、このクラスのカードがあれば読み書きも高速で行えます。
お手持ちのSDカードをチェックしてもらい、どれくらいの速度が出るかをチェックしましょう。
SDカードについて詳しくは下記コンテンツでも説明していますので、合わせてチェックしてみてください。
次にパソコンのUSB端子をチェック
次にお手持ちのパソコンのUSB端子をチェックしましょう。
USB端子の中の色が青いものはUSB3.0、青以外はUSB2.0です。また、デザイン性を重視しているパソコンではUSB3.0でも中の色が青ではないものもあります。
またUSB端子は記号で表しているものもあります。記号だけのものはUSB2.0、記号の前にSSと表記されているものはUSB3.0、SSと表記され、さらに右上に10と表記されているものはUSB3.1(Gen2)です。USB3.0よりさらに速くアクセスできる性能を持っています。
USBコネクタが青、あるいは記号でSSと表記されていれば、高速アクセスに対応できると言えますので、アクセス速度の速いSDカードと、カードリーダーがあれば問題ありません。
近年発売されているノートパソコンや、一部のデスクトップパソコンには、スマートフォンなどに対応しているタイプCが挿入できるものもあります。SDカードリーダーの多くはタイプAですが、近年ではタイプCのカードリーダーも出回っています。
タイプCの場合は、ほとんどがUSB3.0以上に対応しています。
筆者おすすめのSDカードリーダー
ここではUSB3.0以上に対応した、素早くアクセスできてコストパフォーマンスもよいおすすめのSDカードリーダーをご紹介いたします。
まずはお手持ちのSDカードとパソコンのUSBコネクタの種類を確認の上ご参照ください。
USBコネクタ一体型
筆者も愛用しているおすすめのSDカードリーダーです。コンパクトで小さく、キャップもついているのでホコリの侵入も防げて安心。UHS-Ⅰ対応で、静止画や動画を素早くパソコンに取り込めます。
こちらはUHS-Ⅱ規格のSDXCに対応した超高速アクセスモデルです。100MB/秒以上のアクセスができるSDカードをお持ちの場合におすすめです。
USBセパレート型
セパレート型はUSBコネクタ周りが狭く、一体型が装着できない場合や、ノートパソコンなどにおすすめです。こちらもUSB3.0タイプで1,000円前後で購入できます。
USBタイプC型
USBタイプC型のコンパクト一体型のSDカードリーダーです。TYPE-Cコネクタがあるノートパソコンやデスクトップパソコンにおすすめです。
プロやハイアマチュアにも人気のサンディスク製の高速UHS-Ⅱ対応のSDカードリーダーです。現在では高価なUHS-ⅡのSDXCカードも、数年後には価格も落ち着いてくるかと思うので、後々のことを考えてハイスペックなリーダーを準備しておいてもよいでしょう。
SDカードリーダーの選び方とポイント まとめ
- パソコン内蔵のSDカードリーダーは、遅くて低スペックのものが多い
- 外付けのSDカードリーダーは、低価格でも高性能なものも多い
- 素早くパソコンにアクセスするには、SDカードやUSBコネクタの種類も重要
- どれか一つがしょぼい性能だと、ボトルネックとなりアクセスが遅くなる
- 外付けのSDカードリーダーを買うまえに、お手持ちのSDカードとパソコンのUSBコネクタをチェックする
外付けのSDカードリーダーを取り付けると、カードの種類や環境によっては、とても速く撮った写真データをパソコンに取り込むことができるようになります。お手持ちのSDカードやパソコンのUSB端子をご確認いただき、最適なカードリーダーを購入していただければと思います。