カメラのAFモード(オートフォーカスモード)の違い

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ピントを合わせる際、被写体に合わせて最適なAFモード(オートフォーカスモード)に設定することで、ピントが合わせやすくなることを知っていますか。特に動いている被写体を撮影する際などは、AFモードを切り替えることでピント合わせが有利に働きます。ここではファインダーを使う3種類のAFモードの違いと、それぞれのモードに合わせた撮影方法についてご紹介いたします。

カメラのAFモードって何

AFとは(Automatic focusing)の略で、オートフォーカスと呼ばれています。ずっと昔のカメラは、マニュアルフォーカスが一般的であり、レンズのピントリングを回しながら手動でピントを合わせていましたが、1980年代に入りピントを自動で合わせるAFが急速に普及しました。今では当たり前のAFですが、今日ではさまざまな方法でピント合わせができるようになっています。

さて、話をもとに戻しますが、写真を撮る被写体は常に静止しているわけではありません。風景や建造物など、止まっているものを撮るだけならいいですが、動いている電車や動物、お子様が走っている様子など、撮りたいものは人それぞれです。

AFモードは、このように被写体の特性によってピントを合わせる方法を変えることができる機能で、撮るシーンに合わせてモードを切り替えてあげることで、ピントを合わせやすくなったり、ピントを外す確率を減らすことができる効果があります。次の項目では、それぞれのAFモードの違いについて解説したいと思います。

止まっている被写体にはワンショットAF(シングルAFサーボ)

Canon系デジタル一眼レフカメラでは「ワンショットAF」(ONE SHOT)と呼ばれており、ニコン系デジタル一眼レフカメラでは「シングルAFサーボ」(AF-S)と呼ばれています。どちらも同じ意味であり、シャッターボタンを半押しにするとピントを合わせて固定しておくモードです。

一度ピントを合わせて固定したら、ピント位置が変わることはありません。このため、ピントを固定したままフレームを横にずらせば、ピントは被写体に合ったまま構図だけを変えることができるフォーカスロック撮影が可能になります。

しかしピントを固定したまま自分が前後に動いたり、被写体が前後に動いてしまうとピントがずれてしまいます。

このモードは通常撮影時では使う機会が多いAFモードであり、止まっている被写体を撮る場合はこのモードを使用するようにしましょう。

動いている被写体にはAIサーボAF(コンティニュアスAFサーボ)

Canon系デジタル一眼レフカメラでは「AIサーボAF」(AI SERVO)と呼ばれており、ニコン系デジタル一眼レフカメラでは「コンティニュアスAFサーボ」(AF-C)と呼ばれています。これらのモードにするとシャッターボタンを半押ししている間、ピントを合わせ続ける状態になります。

これは常に被写体が動いているシーンに有効で、カメラに向かって走ってくる姿や、逆にカメラから遠ざかっていく被写体を撮るのに適しています。スポーツ観戦、レースや列車の撮影、走る動物や運動会、お子様の撮影などに使うと良いでしょう。

最初に動いている被写体にピント合わせ、シャッターボタンを半押しにします。シャッターボタンを半押しにしている間は常に被写体にピント合わせをし続けてくれますので、ここぞという時にシャッターボタンを押し込めば、ピントが合った写真を撮れる確率がアップします。連続撮影にすれば失敗の可能性も低減します。

このモードはシャッターボタンを半押しにして被写体のピントを合わせた後、構図をずらしてAF枠から被写体が外れてしまうとピントが合わなくなってしまいますので、フォーカスロックを使った撮影はできません。

また、動いている被写体に強いAIサーボAFですが、常にピントを合わせたい被写体がフォーカス枠(ファインダーの中にある四角い枠)にかかっていないとその効果を発揮できません。
奥から手前に走ってくるような被写体ではできるだけ中央のフォーカスポイントで捉えながら連写するとピントがしっかり合います。

飛んでいる鳥などどこから来るか分からない時は、フォーカスポイントを自動選択にしておくと、とりあえずフォーカス枠に被写体がかかればピントを合わせてくれるので自動選択にしておくといいでしょう。

動いている被写体を撮る場合はフォーカス枠の少ない入門機よりフォーカス枠の多い中級機、上位機のほうが重宝されます。

AFモードを自動で切り替えるAIフォーカスAF(AFサーボモード自動切り換え)

上記でご説明した2つのAFモードを組み合わせたものがこのモードであり、Canon系デジタル一眼レフカメラでは「AIフォーカスAF」(AI FOCAS)と呼ばれており、ニコン系デジタル一眼レフカメラでは「AFサーボモード自動切り換え」(AF-A)と呼ばれています。
止まっている被写体に向けて一度ピントを合わせ、被写体が動き出すと自動的に追従モードに切り替えてピントを合わせ続けてくれます。

静止した被写体にも、動いている被写体にも対応してくれるため、一見便利な機能なように思えますが、中途半端で使いにくいという声もあり、実用性はあまりないようです。また静止から動き出した際に少しタイムラグがあるため、いざ撮ってみるとAFが間に合わずピンボケになっていたという声もあるので、使いどころが難しいモードでもあります。

親指AFを覚えればフォーカスモードも自由自在

デジタル一眼レフカメラを始めたほとんどの方は、シャッターボタンを半押しにしてピントを合わせていらっしゃると思います。しかし上手な人は親指でピントを合わせ、シャッターボタンは単に写真を撮影するだけのボタンにしていることもあります。

「親指でピントを合わせる?」「シャッターボタンを半押しにしないってどういうこと?」と思われますが、実は多くのデジタル一眼レフカメラには、ピントを合わせるボタンはシャッターボタン半押しのほかに、もう一つボタンがあります。
それが「AF-ON」ボタンであり、通常はカメラを構えた際に親指が届く範囲のどこかにボタンがあるはずです。試しにこのボタンを押してみると、シャッターボタンを半押ししたときと同じ効果が得られます。

これだけなら、単にシャッターボタンを半押しの代わりとして使うことになるのですが、せっかく親指でピントを合わせても、シャッターボタンを半押ししてしまえばまたそこでピント合わせを行ってしまいます。
そこで設定でシャッターボタンを半押しのピント合わせの割り当てを解除してあげれば、シャッターボタンは単にシャッターを切るだけのボタンに変化させることができます。

この技術を応用すれば、通常は動いている被写体を撮る「AIサーボAF」モードにしていても、親指AFなら一度ピントを合わせてAFボタンを離すことができるので、ピントは固定されたままフレームだけを動かし、構図を変えてからシャッターボタンを全押しして撮影する「フォーカスロック撮影」も可能になります。
また急に動く被写体が現れたときは、親指AFボタンを押し続けることでピントが追従し続けてくれますので、タイミングを見計らってシャッターボタンを全押しにすれば、動く被写体にも楽に対応できます。

こうしておけばいちいちAFモードを切り替える必要もないので、とっさのときにも柔軟に対応できると言えます。最初は難しいと思いますが慣れれば大したことがないので、初心者のうちに親指AFを覚えておくとよいでしょう。

カメラのAFモード(オートフォーカスモード)の違い まとめ

  • AFモードはピントを合わせる方法の違い
  • AFモードは止まっている被写体向けと動いている被写体向けがある
  • 特に動いている被写体に対しては、モードを切り替えるとミスが大幅に減る
  • 親指AFを使いこなせるようになれば、AFモードの応用ができるようになる

特に動いている被写体の写真を撮ろうとして「なんだかピンボケ写真が多い」と思っていらっしゃる方は、一度AFモードの設定を変えてみてはいかがでしょう。上記を参考にAFモードの違いを理解し、親指AFと合わせて一瞬のシャッターチャンスを逃さないように練習しておきましょう。

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