近年ではカメラやレンズを一定金額でレンタルできるサービスが登場し、高嶺の花であった高級カメラやレンズを身近に使える機会が増えました。一方でカメラレンタルサービスに向いている人と、そうでない人がいるため、メリットとデメリットをしっかりと理解することが大切です。
ここでは、最近登場したカメラやレンズのレンタルサービスの概要やメリット、デメリットについてご紹介いたします。
カメラ・レンズのレンタルサービスとは
カメラやレンズのレンタルサービスとは、一定の金額を支払うことで、カメラやレンズをレンタルできるサービスのことを言います。車のレンタカーと似たようなサービスですね。
ある程度カメラを使いこなせる知識があれば、わざわざ高いカメラを買わずしても、お手軽に憧れの一眼レフカメラで撮影をしたり、高くて手が出せないレンズを装着して撮影できたりなど、撮影の幅が広がりますね。
このようにカメラやレンズのレンタルサービスを利用することで、少ない金額でお気に入りの機材を使うことができます。
カメラレンタルは1回限りの短期と月々、サブスクの3種類がある
1泊2日・2泊3日などの1回限りの短期レンタル
短期レンタルは「1泊2日」や「2泊3日」など、決められた期間だけ使用できるサービスです。あらかじめ機種と使う日を決めておけば、前日(レンタルサービスによっては当日)に機材が届き、使用期限の最終日に返却するようなスタイルです。1回限りで、決めた機材以外途中で変更するこはできません。
延長も可能ですが、基本的に短期での使用目的となるため、最長でも使用期間は1週間程度が目安となります。価格はレンタル日数と機材の種類によって異なります。返却期限がシビアで、遅れてしまうと延長料金を取られます。
1ヵ月~レンタルできる長期レンタル
長期レンタルは基本1ヵ月単位で利用できるサービスです。最低レンタル期間が決められていることが多く、1ヵ月以内に返却しても1か月分の利用料金がかかるようにシステムになっています。借りっぱなしも可能で、1ヵ月を超えると自動更新となり、2か月目・3か月目となっていきます。
また一定期間借りっぱなしにすることで、自動終了という設定もあり。自動終了になるとその商品は借りた人のものになります。自動終了まで借りると、新品を買うより割高になるので注意しましょう。
カメラであれば比較的安い入門機やレンズであれば、月単位でもリーズナブルにレンタルすることができます。
月額でさまざまな機材がレンタルし放題なサブスクレンタル
サブスクリプション(通称サブスク)は、近年定着しつつあるサービスの方法で、月々定額で音楽や動画を見放題なプランや、ゲームやアプリなどにもサブスクサービスが定着しています。
カメラやレンズにおいても、1か月契約のサブスクサービスを利用することで、期間中であれば何度でも違う種類のカメラやレンズを試すことができるサービスもあります。(1ヵ月単位でしか機材変更ができない場合もあり)
機材によっては、短期よりもサブスクのほうが安かったりすることもあります。短期レンタルだと、機材が届いてぶっつけ本番になり、慣れた人向けになりますが、サブスクですと余裕をもってレンタルでき、本番前に試し撮りや取り扱いの練習もできます。
サブスクの場合、月々の利用料金はランクによって異なる
1回限りのレンタルの場合は、機種ごとで貸し出し日数に応じて金額が決まっていますが、サブスクの場合はどんな機種でも同じ金額というわけではありません。
車のレンタカーでも、軽自動車と高級車では1日の利用料金が大きく異なるように、カメラやレンズにもランクというものが存在し、当然高級カメラや高級レンズになればなるほど高ランクとなり、月々の利用料金が高くなります。
ランクは細かく分類されており、例えば大手のカメラレンタルサービスGOOPASSでは、ランク1から10までの10段階に分かれています。当然ランク1のプランで申し込んでしまうと、ランク1の機材しか借りることができず、ランク5の機材を借りたい場合は、ランク5のプランを申し込まなければなりません。
下位のランクの機材はレンタル可能なので、例えばランク5のプランで契約していれば、ランク1や2の機材でも借りることができます。
金額の差はかなり大きく、GOOPASSの最低ランクの1であれば月々7,480円(税込)ですが、ランク5になると月々27,280円、最高ランクの10になると、月々120,780円にもなります。「月12万も払うんなら、新しいカメラ買えるじゃん」と思いますが、ランク12になると普通には手が出せない業務用のカメラや、数百万円するような超望遠レンズなどもレンタルすることができます。
これ以外にも、CAMERA RENTというカメラレンタル会社では、ブロンズからハイエンドまで6つのプランに分かれており、それぞれのプランに応じたカメラやレンズをレンタルすることができます。
カメラレンタルを利用するメリット(レンタルに向いた人)
一眼カメラデビュー前にお試しができる
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラは、入門機とは言え安い買い物ではありません。このサイトを見たり、知人からの勧めでカメラに興味が出てきたけれど、「もし使いこなせなかったら」「飽きてしまったらどうしよう」と迷っている人もいるのではないでしょうか。
カメラレンタルを利用すれば、これからカメラを始めてみたいという方にお試しができるのも魅力の1つですよね。入門機であれば低ランクのプランでもレンタルできてしまうので、まずは1ヵ月間カメラを試してみて、いけそうであれば新品を買う・・・ という選択肢もありですね。
気になるカメラやレンズの試し撮りができる
近年ではさまざなサイトで機材のレビューや実際の撮影画像を見ることができるようになったため、ほしいカメラやレンズを選ぶ情報も手軽に入手できるようになりました。
しかし自分の思っているようなシーンでどれくらいの描写を見せてくれるのかや、実際に撮ってみないとわからないという人も多いのではないでしょうか。
買って後悔しないためにも、まずは保険として実際に手に入れたい機材をレンタルしてみるのもおすすめです。借りた機材が正解であれば、レンタル代はちょっともったいない気もしますが、納得して買われれば損はないと思います。
使用頻度が結婚式や運動会など特別なときだけ借りることができる
「以前は本格的にカメラを使っていたけれど、最近では使う機会がめっきり減った・・・でも家族旅行、子供や孫の入学式や運動会、結婚式など特別な時は本格カメラで撮ってあげたい」という人にもカメラレンタルサービスがおすすめです。せっかく高いカメラやレンズを買って持っていても、使う機会が少なければ宝の持ち腐れですし、保管も大変、また数年で型落ちになってしまいます。
それなら撮影の機会の度に最新のカメラやレンズをレンタルして使うのも賢い方法です。レンタルサービスの種類によっては、使わない月は休会することもできるので、いざ機材が必要な月だけ再開すれば、少ない費用で効率的にレンタルすることができます。
星空やスポーツなど、撮影する機会が少ない割に特殊なレンズが必要な時に便利
筆者もよく星空の撮影には行きますが、星空の撮影って年に数えるほどしか行くことができません。その割には明るい超広角レンズや単焦点レンズが必要であったり、そのレンズが星空でしか使えないなんてこともよくあります。
その割には明るい超広角レンズとなると、価格が10万円を軽く超えてしまうレンズなので、撮影する機会が少ない割に投資額はかなりのものになります。ほかにもスポーツを撮影するような焦点距離の長いレンズも、普段ではほとんど使うことがないので、年の1回程度の使用ならレンタルの方がお得ですよね。
このように撮影する機会が少ないけれど、特殊なレンズが必要なときなどは割り切ってレンタルサービスを利用するのも賢い方法と言えるでしょう。
カメラレンタルを利用するデメリット
同じ機材を数か月または何度もレンタルすると損になる
いくらレンタルが安いとは言え、同じ機材を数か月から1年程度レンタルすると同じものが買えてしまいます。入門向けのカメラとレンズセットでも、買うよりは安いですが、おおむね月額1万円程度のレンタル料は必要になり、すごく安いということではありません。
レンタルのメリットは、複数の機材を試したり使ってみたりすること言えますので、気に入ったカメラやレンズが見つかった場合は、早めにレンタルをやめて購入を検討しましょう。
サブスクレンタルでは借りたいときに借りれない可能性も
図書館で本を借りる時でもそうですが、違う人が借りていたら返却されるまで待つしかありません。カメラやレンズでも同じことが言えます。人気機種はそれなりに在庫をたくさん抱えているとは思いますが、誰かがすでにレンタルしていて、せっかく申し込んだときに借りれなかった場合など、お気に入りの機材が欲しいときに借りれない可能性もあります。
最近ではそういうことのないように、あらかじめ予約ができるサービスもあるので、機種をあれこれチェンジしたい場合は計画的に借りるようにし、先の分は予約しておくと失敗が少なく安心です。
また、この世に出回っているすべての機種が借りられるというわけではないので、事前にレンタル可能かどうかは最低限チェックしておくことが大切です。
高級機選びは短期決戦で決着をつけないとレンタル代が膨れ上がる
いわゆる「フルサイズ一眼」や「大三元レンズ」と呼ばれる高級カメラ・レンズは、レンタル料金自体も高くなります。セットで買えば30万円~40万円くらいするセットになるわけですから、当然レンタル料も1ヵ月3万円ほどになるケースも。
この3万円を安いか高いかと考えるのはそれぞれ人の感覚になるとは思いますが、それでも3か月も借りようものなら10万円近くのレンタル代がかかります。3か月間は自由に使えるとは言え、返却してしまえば何も残らないので、冷静になって考えてみるとかなり高いと感じるのではないでしょうか?
高級機を試してみたい、購入を検討している場合はできるだけ短期決戦を心掛けるようにし、短い期間でたくさんの種類をレンタルするなどを心掛けてください。
レンタルサービスを受ける際の注意点
カメラ以外のアクセサリ類はどうなる?
カメラとレンズのセットでレンタルした場合、基本的には充電器やバッテリー、ストラップにクリーニングクロスやケースなど、撮影に最低限必要なアクセサリは付属されています。
メモリーカードやカードリーダー、予備のバッテリー、現像ソフトなどは付属していない場合が多く、あってもオプションで別料金という設定になっている場合があります。
また、オールインワンセットでレンタルしているサービスもあるため、プランによってはメモリーカードから予備のバッテリー、三脚やバッグなどもセットでレンタルできるものもあります。
自然故障以外の落下や破損に注意が必要
例えば、普通に使用していて突然シャッターが切れなくなったり、電源が入らなくなったなど、自然故障の場合は弁償をする必要はありません。
しかし、不注意による落下や水没、破損などは修理代金を弁償しなければなりません。多くの場合は免責や上限というものがあり、修理の内容や機材の価格によって変動するものの、数千円程度の支払いで済むようになっていますが、ケースバイケースなので、まずは事故の状況など速やかにレンタル会社に報告するようにしてください。
盗難や紛失はやっかいで、基本的には全額弁償となります。盗難の場合はご自分の盗難保険が適用される場合があるので、加入している保険会社に相談してみるのもよいでしょう。
自分の所有しているカメラやレンズでも同じことが言えますのが、レンタルしているものとは言え、取り扱いには注意する必要があります。
サブスクの場合、使わない月でも料金が発生する?
サブスクレンタルの場合、契約は月ごとに自動更新となるため、基本的に借りていない場合でもずっと月額使用料はかかります。放置していると大変なことになるので注意しましょう。
どうしても使わない月も出てくるかと思いますが、多くのレンタルサービスでは休会や無料会員への変更ができるようになっており、更新日までに解約処理を行うことで、使わない月は料金をスキップできるようになっています。
使う月とそうでない月があるときは、こまめにチェックするようにしてください。
サブスクの場合、借り放題といっても送料は発生する場合もある
月額定額のサブスクレンタルの場合、ほとんどの場合機材を入れ替える際には送料が必要なレンタル会社もあるので注意しましょう。
「レンタル代は月額入れ替え放題だけど、往復の送料はお客さんで払ってね」ということになるので、機種を入れ替えれば入れ替えるほど送料が膨れ上がるので注意しましょう。大体1回で往復送料が1,600円くらいが相場です。
短期レンタルの場合は、到着の送料は不要で、返却の送料はお客様負担というのが一般的です。
管理人おすすめのカメラレンタルサービス
初心者の方が初めて一眼系カメラを手にする場合、飽きる可能性もありますし、NikonやCanon、SONYなどどれが自分に合うのかいろいろ試してみたくなります。いきなりカメラを買ってしまうと後で後悔することもあるので、少し予算に余裕があるのならレンタルサービスでカメラを触ってみるとよいでしょう。
管理人おすすめのレンタルサービスは、月々定額でさまざまな機材が入れ替えられるGOOPASSがおすすめです。初心者向けであれば比較的安い低ランクの料金プランでレンタルでき、短い期間で様々なカメラを使ってみることもできます。
カメラ・レンズのレンタルサービスのメリットとデメリット まとめ
- カメラやレンズをレンタルできるサービスがある
- 短期プランや長期プランのほか、月単位で定額サブスクサービスなどもある
- 買う前にお試しが出来たり、特別な時だけ使うときに便利
- 長期で借りすぎてしまうと買った方が安くなるというデメリットも
- レンタルする場合に注意点も多いので一通りチェックしておく
以前は高価なデジタル一眼カメラも「買う」しか方法がありませんでしたが、近年では手軽にレンタルするという選択肢も出てきたため、カメラを手に入れる敷居が広くなりました。上記を参考にレンタルサービスを考えてみてはいかがでしょうか?