カメラのバッファメモリとは

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皆さんはカメラのバッファという言葉をご存じでしょうか。バッファは連写性能を左右する重要な部分であり、スポーツや鉄道写真、運動会など連写撮影をするときにバッファメモリの出番となります。ここでは一眼レフやミラーレス一眼カメラに搭載されているバッファメモリについてご紹介いたします。

カメラのバッファは一時的に写真データを貯めておくダムのようなもの

カメラで撮った写真データは、SDカードなどのメモリーカードに記録されますが、大半の人はカメラから直接メモリーカードに記録していると思われがちです。

しかしメモリーカードはそれほど高速にデータを書き込みできないため、ほとんどのカメラには内蔵バッファメモリと呼ばれるものが搭載されています。

内蔵バッファメモリは、撮った写真を一時的に貯めておくダムのような役割があり、一旦そこに写真データを記録しておき、少しずつメモリーカードに記録していきます。

バッファメモリはカメラの電子基板の中に内蔵されているため、私たちが外から見ることはできません。

普通は撮る速度よりも記録される速度の方が遅い

みなさんも撮影した写真をパソコンに取り込むとき、一瞬でパソコンの中に入れることはできないですよね。画像の数が多ければ多いほど取り込みに時間がかかるものです。

それはメモリーカードに書き込み出来る速度が関わっています。メモリーカードはたくさんのデータを記録できる容量を持っていますが、記録できるスピードはとても遅いデメリットがあります。

一方バッファメモリは、あまりたくさんのデータを記録することはできませんが、目にもとまらぬ速さでデータを保存することができます。

それではカメラの撮影を上流の川、ダムをバッファメモリ、放流をメモリーカードとして、水をデータと過程して見てみることにしましょう。

1枚だけ単発撮影したとします。この場合は入ってくるデータの量もわずかなので、問題なくメモリーカードに記録できます。

カメラのバッファメモリを1枚撮影したときの流れ

次に連写したときの中身です。連写しはじめると、撮影した画像データはどんどんバッファメモリに貯まっていきます。カードへの書き込みは一生懸命やっていますが、出ている量に対して入ってくる量が圧倒的に多いので、徐々にダムの貯水量が増えてくるようになってきます。

カメラのバッファメモリを連写したときの流れ

バッファにデータが貯まりすぎるとバッファオーバーで撮影不能になる

最後に連写を続けるとどうなるでしょうか?容易に想像はできると思いますが、そのうちバッファメモリがいっぱいになる状態「バッファオーバー」「バッファフル」「バッファ詰まり」となり、連写が中断されます。ダムに例えるとこれ以上水が入らなくなるので、上流からの受け入れをストップしてしまうわけですね。

一度連写が止まるとしばらく撮影ができず、ある程度バッファメモリの容量が減ってくると再び撮れるようになります。

カメラのバッファメモリを連写し続けたときの流れ

バッファと書き込みの関係

バッファメモリの容量はその機種ごとに決まっているため、増やしたりすることはできません。一般的には入門機よりも上位機、低画素機よりも高画素機のほうがバッファメモリが多くなっています。当然バッファメモリが大容量であればあるほどデータ量に余裕が生まれるため、たくさん連写することができます。

バッファ容量が大きいほどたくさん連写できる

ファイル容量が小さいほどバッファは貯まりにくい

当然1枚のファイル容量が小さければ小さいほど、たくさん連写できるようになります。基本的にJPEGの連写はよほどの枚数を一気に撮影しない限り、バッファがいっぱいになることはありません。

カメラのバッファメモリは、RAWファイルで連写したときにある程度プールできるように作られています。RAWファイルはJPEGの何倍もの容量があるため、RAWファイルで連写をするとバッファもすぐいっぱいになってしまいます。

ファイル容量が小さいほどたくさん連写できる

書き込み速度が速いカードほど連写できる

バッファの容量はカメラごとに決まっていますが、性能の良い(書き込み速度が速い)メモリーカードを使うことで、ある程度連写枚数を伸ばすことができるようになります。ただしSDカードは書き込める速度の限界が小さいので、劇的に早まることありません。

書き込み速度が速いカードほどたくさん連写できる

CFカード(コンパクトフラッシュ)は唯一RAW連写に対応した高速書き込みができる

RAWファイルで連写をすると、機種にもよりますが秒速1~2GBのデータが作られます。しかしいかに高性能なSDカードで書き込んでも、書き込める限界は秒速300MBほどになります。

そこで高級機にはSDカード以外にCFカード(コンパクトフラッシュ)を搭載できるスロットがあり、高速連写に対応しています。CFカードの規格であるCFexpressですと、理論値で秒速2GBで書き込むことができます。

CFカードは報道用など一部のプロ、ハイアマチュア機種に限られますが、連写してもびくともしない記録方式を採用しています。

カメラのバッファメモリとは まとめ

  • カメラのバッファは一時的に写真データを貯めておくダムのようなもの
  • カメラは撮る速度よりも記録される速度の方が遅い
  • 連写するとカメラのバッファにデータが貯まっていく
  • バッファがいっぱいになるとそれ以上連写撮影ができなくなる
  • バッファはサイズや入ってくる量、出ていく量によって連続撮影枚数が変わる
  • 上位機はCFカードを使うことで、バッファを気にせず連続撮影することもできる

1枚1枚を丁寧に撮影する人にとっては無縁の知識ですが、RAW画像で連写する人にとってはバッファでどれくらい撮影できるのかを知っておくことが大切です。上記を参考にカメラのバッファメモリの知識を深めてみてください。

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