Adobe製の画像・写真編集アプリにはPhotoshop・Photoshop Elements・Lingtroom Classic・Lingtroomの4種類があります。名前がどれも似ているので、初心者にとってどのアプリにどんな役割があるのか混同しがちです。
ここではAdobe製アプリ4つの種類の違いについてご紹介したいと思います。
Photoshop系とLingtroom系の違い
小さく分けると4種類あるAdobe製写真編集アプリですが、大別するとPhotoshop系とLingtroom系の2種類に分かれます。
写真や画像の加工が得意なPhotoshop
Photoshopは1枚の画像をじっくりと加工するのに特化したアプリです。写真の色合いや明るさなどの加工はお手の物ですが、切り抜きや合成など、レイヤーを使ったフィルターや装飾を行うこともできるため、Photoshopがあればできないことはない… というほど高度な編集機能を備えています。
筆者も愛用しており、当サイトのコンテンツや画像の大半はPhotoshopを使って作っています。
かつては買切型でソフト1つで15万円ほどもしていたこともあり、どちらかと言うとデザインや画像編集を生業としているプロユーザーが使用していたものですが、月々支払い型のサブスクリプションサービスとなり、また安いプランが登場したこともあって、趣味やライトユーザーでも手軽に使えるようになりました。
しかし、できることが多い反面、どうやって使ったらよいか分からないことも多く、分厚い専門書を見ながら地道にスキルアップするしかなく、使いこなすことができず宝の持ち腐れになることも…
このアプリは1つの作品を仕上げながら加工するアプリであるため、大量の写真や画像をまとめて管理・編集するには向いていません。どちらかというとデザイナーや画像合成などを扱う人向けのアプリです。
写真の現像や管理が得意なLingtroom
Lingtroomは、写真の管理や編集に特化したアプリです。1枚の画像をじっくり仕上げるのではなく、デジカメで撮った写真の取り込み、選別、編集、現像、JPEG出力までを一貫して行えることが特徴です。
どちらかというとフォトグラファー向けのアプリであり、RAW画像で記録した写真の色合いやホワイトバランス、明るさなどを調整するのが得意ですね。そのほかノイズの除去機能や不要なものを消すなど、一定の補正はできるようになっています。
一方で合成や切り取りなど、Photoshopのような使い方はできないため、そこから違う画像作品を加工して作り込むといったことはできません。
出来ることはPhotoshopに比べると限られるうえ、高度なテクニックも不要で直感的に操作できるため、初心者でも簡単に写真現像を楽しめます。
以前は15,000円ほどで買切り型の製品を購入することができましたが、現在はサブスクリプションとして、月々の支払で最新のバージョンが使い放題というプランのみになっています。
PhotoshopとPhotoshop Elementsの違い
Photoshop系には、プロやクリエイター向けのPhotoshopと、高度な機能を省いたPhotoshop Elementsの2種類が発売されています。
前述したとおり、Webデザイナーなど画像編集を扱うお仕事ではPhotoshop一択となりますが、機能が高度すぎて、ライトユーザーには使いきれないというデメリットもありました。
そのため、高度な機能や合成などを省き、よく使う基本的な機能だけに特化したPhotoshop Elementsというものが発売されています。色調補正やノイズの除去、レイヤーやマスク機能、画像の切り抜きや合成など、一通りの機能は備わっているため、趣味や個人用途で使用する分はPhotoshopと遜色なく使えるかと思います。
一方で、プロが扱うようなカラーモードやトーンカーブの使用、色の表現、ツールの多さ、ぼかし、マスクの処理など、より自然でレベルの高い域での作業はできないようになっています。
Photoshop Elementsは買切型のみで、価格はPhotoshop Elements2024は19,580円です。
Lingtroom ClassicとLingtroomの違い
Lingtroom系の中にも、Lingtroom ClassicとLingtroomの2種類があります。
Lingtroomはタブレットやスマホ向けに最適化されたアプリで、Lingtroom Classicはパソコン向けにフル機能が使えるアプリです。別々に購入する必要はなく、Lingtroomが使用できるプランを申し込めばどちらも使うことができます。
もともとLingtroomはパソコン版としてデビューしましたが、昨今の事情からパソコンがなくてもスマホやタブレットからでも手軽に写真編集ができるということで、スマホ版アプリが登場してきました。名前が同じだと分かりづらいため、従来のパソコン版のことをLingtroom Classicと呼ぶようになっています。
写真を保存する場所がLingtroom Classicではパソコンや外付けのストレージドライブなのに対して、Lingtroomはクラウド上にすべて保存するスタイルです。
スマホやタブレットで操作できるLingtroomのほうが直感的に操作できるため、初心者には扱いやすい特徴を持っています。また保存先もクラウド上なのでどこからでもアクセスして写真の閲覧や編集ができます。
しかし編集機能が限定されるため、細かな調整や複雑な加工はClassicと比べると劣ります。またクラウドの容量は有限であるため、大きなデータを大量に保存するとすぐに容量不足に陥ります。
Adobeのサブスクサービスでは、月々1,180円でPhotoshopとLingtroomの2つが使えるフォトプランというものがあり、手ごろな価格で両者のアプリを使うことができますが、最も安いプランでは、クラウドの容量が20GBと非常に少なくなっています。
デジタルカメラで撮った画像を管理・現像するならLingtroomを
Photoshopはどちらかと言いますとプロのデザイナー向け、クリエイター向けのアプリであるため、デジタルカメラで撮影した画像の管理や現像であれば、Lingtroomのほうが適任です。
Lingtroomでは2種類のアプリがありますが、筆者としてはパソコンを使ったLingtroom Classicの使用を推奨しています。機能をフルで活用できますし、膨大なRAWデータをクラウド保存するのは、費用的にもあまりおすすめできないからです。
このサイトでは、Lingtroom Classicの使い方や操作方法などもご紹介していくつもりですので、ぜひ一緒にご覧いただけると幸いです。
PhotoshopとLingtroomの違いについて まとめ
- Photoshop系は画像を使って合成やデザインを行うためのアプリ
- Lingtroom系はデジカメで撮った写真を管理・現像・出力するためのアプリ
- Photoshop ElementsはPhotoshopの廉価版で、基本的な機能だけに限定したアプリ
- Lingtroom Classicはパソコンを使って写真の管理や現像を行える
- Lingtroomはスマホやタブレットを使って写真の管理や現像を行える
- デジカメで撮った画像を管理・現像するのであればLingtroom系アプリを使う
このようにPhotoshop系は画像合成や編集が得意なため、1つの作品をじっくりと作り上げるデザイナー向けアプリで、Lingtroom系はたくさん撮った写真を管理したり、まとめて現像したりするためのアプリで、全く内容が異なります。上記を参考にご自分の用途に合ったものを選ぶようにしましょう。