夕焼け・朝焼けの撮影方法・撮り方のコツ

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海や山に沈む太陽や、空高い雲が真っ赤に染まっている夕焼けや朝焼け。一瞬の表情を見せるだけに、感動的な光景を写真に収めたいと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、見たままの色に撮影するにはちょっとした工夫が必要です。ここでは夕焼けや朝焼けの上手な撮影方法についてご紹介したいと思います。

夕焼けや朝焼けが美しくなるのはどんな条件のとき?

夕焼けや朝焼けがとても美しくなるときって、1年のうち何度か経験があると思います。

夕焼け・朝焼けの撮影方法・撮り方のコツ
皆さんも燃えるような夕焼けを見ることが、1年のうちに何度かありますよね

よくある質問として「どんな条件のときに空が美しく焼けるの?」というのがありますが、これが分かれば苦労しない・・・というほど、焼けるかどうかを予測するのは、現代でも難しいことです。

夕焼けや朝焼けは真夏や真冬には少なく、春や秋に多いと言われていますが、適度な湿度や温度、雲の量や空気の澄み具合など複雑な要素が絡んでいます。

夕日や朝日は太陽が出る、或いは沈む方向に雲がなければ毎日見ることができますが、空が焼けるかどうかははっきり言いまして「運」的な要素が高いと言えます。このため、感動的な夕焼けに出会うには何度もその場所に通わないといけない・・・という根気も必要です。

夕焼けや朝焼け撮影に必要なもの

夕暮れや日の出の撮影は、太陽が出ているときはかなりの高速シャッターで撮影することになりますが、日没後や日の出前の少し暗い条件になると、スローシャッターで撮影することになります。カメラ以外に三脚とレリーズを準備しておくとよいでしょう。

夕焼けや朝焼け撮影に必要なもの

レンズはどのような風景を撮るのかによっても変わってきます。焼けた太陽と周りの風景も入れるのであれば広角レンズがいいですし、あえて太陽だけを狙うのであれば望遠レンズもおすすめです。美しく焼けている時間はあっという間に過ぎてしまいますので、レンズ交換が不要なズームレンズのほうが初心者にはおすすめかもしれません。

人気スポットにもなると、まだ日が高いうちから場所取りなどで人が集まってきます。小さい折りたたみの椅子などもあるとよいでしょう。また暗くなってしまうこともありますので、ライトなどの明かりもあると便利です。

撮影条件と撮影方法

撮影モードは「AV」(絞り優先モード)に設定します。オートモードにしてしまうと、仕上がりの明るさがバラバラになってしまうだけでなく、暗くなってくるとストロボを使ってしまうなど、コントロールが難しくなります。

絞り優先モードになりますので、F値はF8~F11くらいがベスト。ISO感度は三脚を使って撮影する場合はISO100~200で固定しておけば問題ありません。手持ち撮影する場合は、太陽が沈んでからは暗くなってしまいますので、ISO感度を400~800くらいまで上げて撮影しましょう。

ピントは太陽に直接フォーカスポイントを合わせると、光が強すぎてピントが合いません。コントラストが高い他の被写体や雲などに合わせるとよいでしょう。

何枚か撮ってみて明るさと色合いをチェックしてみてください。

夕焼けや朝焼けの色はホワイトバランスで決まる

見たときはとても赤く焼けていたのに、カメラで撮ったものを再生してみると、イマイチ赤く染まっていない・・・ それはホワイトバランスの設定が間違っている可能性があります。

ホワイトバランスは本来白の基準を決めるために色温度のバランスを調整するものですが、色温度の設定を強制的に変更してしまうことで、より赤みの強い写真に仕上げることもできます。

夕焼けや朝焼けの色はホワイトバランスで決まる

ホワイトバランスをオート(自動)に設定してしまうと、赤みがある色を抑えようとカメラが判断してしまうため、思うように色が出ないことがあります。プリセット設定を「曇り」や「日陰」などにすると、かなりオレンジが強いイメージに仕上がります。

あとからパソコンなどで現像(レタッチ)する場合は、容易にホワイトバランスが変更できるように「RAW」ファイルで撮影しておきましょう。

明るさは露出補正で調整する

撮影している被写体によっては、かなり明るく仕上がってしまう場合もあれば、暗く撮影されてしまうこともあります。特に太陽をフレームに入れている場合は極端な逆光となるため、カメラが正しい明るさを判断できないことがあります。

夕焼けの明るさは露出補正で調整する

そんなときは露出補正を使って明るさを調整しましょう。例えば、仕上がりが明るすぎて空の色が白っぽくなっているときは、露出補正をアンダー(マイナス方向)へ調整します。暗く補正することで、空や太陽が赤みを帯びてくるはずです。

逆に周りの景色が真っ黒になる場合は、露出補正をオーバー(プラス方向)へ調整してみましょう。
露出補正については、こちらでも詳しく解説しております。

コンディションによって構図を変えよう

夕焼けや朝焼けの撮影だからと言って、必ず太陽をフレームの中に入れる必要はありません。中には太陽を意図的にフレームから外したり、日が沈んでから(日が昇る前)の美しいグラデーションを撮影するのもおすすめです。

夕焼けや朝焼けは太陽が隠れてしまってから盛大に焼けることも多いので、諦めずに粘り強く耐えることも大切です。ここではコンディションや構図別に撮影のポイントをご紹介します。

太陽を入れる場合は望遠で切り取ってみる

望遠レンズで撮った夕焼け・朝焼け写真

日の出・日の入り直後の太陽は光線が弱く、望遠で撮影してフレームに大きく入れても眩しくなりません。大胆に望遠で太陽を切り取ってみるのもいいでしょう。

太陽が沈んで(昇る前)からのグラデーションを楽しむ

太陽が昇る前や沈んだ後のグラデーション写真

空に美しいグラデーションや変化がある場合は、空をメインに撮影してもよいでしょう。一部を切り取ってしまってもいいですし、長時間露光で雲を流してみても面白いです。肉眼ではかなり暗くなってしまってからもでも、写真に収めるといい感じに撮れることが多々あります。

シルエットを強調させる

シルエットを強調させた夕暮れ写真

夕暮れや日の出時に太陽の方向にカメラを向けると、そのほとんどが逆光になります。そのため背景以外の被写体は諧調を失って黒潰れ… つまり真っ黒になります。本来写真を撮るうえでは、黒つぶれの部分はできるだけ少なくしたいところですが、あえてシルエットとして強調させることで、影絵のようにしてしまうのも全然ありです。ものだけでなく人物をシルエットにして撮ってみても面白いでしょう。

ホワイトバランスを大胆に変えてみる

ホワイトバランスを変えた夕暮れ写真

空が焼ける色はオレンジ色が中心なので、基本的にはホワイトバランスは曇りや日陰を選ぶことになりますが、あえて蛍光灯や白熱電球といった、青くなるような色を選ぶのも1つの方法です。寒色系にすることで幻想的な雰囲気を出すこともできますので、基本だけにとらわれず、大胆に変えてみるのもいいですね。

レンズを太陽に向けっぱなしにするとイメージセンサーやレンズが焼けることがある?

夕暮れや日の出の撮影時は、太陽を直接撮影することも多いですが、ごく稀に、太陽光の影響でイメージセンサーが焼けてしまうことがあります。

小学校の頃、みなさんも一度はやったことがあると思いますが、虫眼鏡で太陽光を集めて黒い紙を焼くという実験・・・ あれと同じ現象がカメラでも起こる可能性があります。

日の出や日の入り前後は太陽の光も弱いため、日中に比べれば焼けてしまうリスクは少ないですが、日の高いうちに三脚にカメラをセットし、そのまま放置することで運悪く集められた太陽光の光がシャッターやイメージセンサーを焼いてしまうという恐れがあります。特にセンサーがむき出しであるミラーレスカメラの方がリスクが高くなります。

注意点としては、スタンバイ時にはレンズにキャップをしておくか、レンズの向きを太陽が見えない向きにしておくことが大切です。ファインダーで直接太陽を見ることは避けるようにし、ライブビュー撮影画面では長時間放置しないようにしましょう。

夕焼け・朝焼けの撮影方法 まとめ

  • 夕焼けや朝焼けを予測するのは難しく運的要素に左右される
  • 撮影はカメラにレリーズ、三脚があればOK
  • 撮影モードは絞り優先モード、露出補正とホワイトバランスが調整できるように
  • 色合いはホワイトバランスで調整する
  • 明るさは露出補正を使って調整するとよい
  • 焼けるのは運次第なので、空のコンディションに合わせて撮影するとよい
  • 太陽にレンズを向けっぱなしにすると焼けることがあるので注意する

夕焼けや朝焼けは手軽な被写体として人気が高く、単に空だけならどこからでも撮影することができます。上記を参考に撮影条件や設定などをチェックしながら、自分なりの夕暮れ・朝焼け写真を撮ってみてください。

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