夏や冬に車の中にカメラやレンズを放置する危険性について

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車の中にカメラやレンズを放置する危険性について

みなさんは普段カメラやレンズをどこにしまっていますか?まさか車の中に入れっぱなし…なんてことはないですよね。真夏の炎天下や真冬の夜間など、エアコンが効いていない車内の環境は非常に過酷で、機材を入れっぱなしにするのはもちろん、短い時間であっても危険が伴う場合があります。

ここでは車の中にカメラやレンズを放置する危険性についてご紹介したいと思います。

カメラやレンズは何度くらいまでなら耐えられる?

まずは、一般的なカメラやレンズの使用可能環境について考えてみましょう。各メーカー若干の差はあるものの、一般的な使用可能温度は0~40℃程度です(プロフェッショナルモデルになると45℃くらい耐えられるものもあり)。実際には-10℃程度でも問題はないようですが、バッテリーの持ちが悪くなってしまうため、メーカーとしては推奨していないようです。

一般的なカメラやレンズの使用・保管温度は0℃~40℃程度

つまり、人間が何とか過ごせる環境下であればカメラも正常に使用することができるため、空調の効いた室内はもちろん、極寒を除き屋外でも普通に使用することができます。

夏場であっても屋外であれば、直射日光さけ避けておけばそれほど心配する必要はありません。

レンズも同様であり、カメラの使用可能温度と同じと思ってもらえればよいでしょう。

夏場の車内は50℃・ダッシュボードは70℃以上に達する

気温が30℃を超える夏場の炎天下であれば、車内の気温は50℃以上なり、特にフロントガラスのダッシュボードの上では70℃以上に到達します。そんな場所にカメラやレンズを放置しようものなら、熱々のカイロのようになってしまいますよね。

真夏の炎天下では車内の温度は50℃以上になる

近年では夏場の厚さが厳しく、日中の最高気温が35℃や40℃に達する猛暑日となる日が多くなり、そんな環境下では車内の温度はさらに上昇します。

涼しい春や秋でも要注意・晴れた日であれば外が涼しくても車内は40℃越えに

心地よい風が吹き、屋外なら非常に涼しい春や秋でも、晴れた日は要注意です。外気温が23℃程度でも、太陽光が一日中降り注ぐ環境では、車内は40~50℃に到達することがあります。

冬場以外は、直射日光が当たる環境下であれば、車内の温度はかなり上がると考えておきましょう。

わずかな時間でも要注意・夏場であれば30分で危険温度に到達

真夏の炎天下では、エアコンで涼しくなった車内であっても、エンジンを切れば数分で温度上昇が始まり、30分ほどで40℃以上に到達します。

買い物や食事、用事などでわずかな時間車から離れても、思った以上に車内の気温は上がりますので、カメラやレンズの入れっぱなしには要注意です。

冬場の夜間は外気の気温とほぼ同じになる

冬場はエンジンを切ると熱源がなくなるため、外気温とほぼ同じくらいの温度になります。例えば夜間の最低気温が-10℃まで下がれば、車内の温度もそれに近いくらいまで下がりますね。

真冬の車内の温度は外気温とほぼ同じになる

カメラやレンズも0℃程度までは正常に使えるものの、北国や山間部などでの夜間の車内放置はかなり気温が下がるため要注意です。

暑い車内にカメラやレンズを置きっぱなしにするとどうなる

電子部品の故障

カメラやレンズにはたくさんの電子部品が使われています。イメージセンサーやプロセッサ、制御基板などは熱に弱く、熱々の状態では正常に使えないどころか、熱によって壊れてしまう可能性があります。冷ませば使用できる場合もありますが、壊れてしまうと修理しなければならないことも。

バッテリーの劣化・発火の危険性

カメラはもちろん、スマホやゲーム機などにも多く使われているリチウムイオンバッテリーは、高温に弱く、何も使っていなくても電池の寿命を大きく縮めてしまいます。また、高温状態のままバッテリーを放置すると膨張したり、最悪の場合発火する危険もあります。

レンズや樹脂・接着部分や潤滑部分の劣化や変形

樹脂などのプラスチック製品は高温に弱く、容易に変形してしまったり、劣化することがあります。また接着面が脆くなったり、ゴム部品の劣化が早まるなど、デメリットしかありません。劣化を早める試験をするために加速器に入れているようなものだと思ってください。

寒い車内にカメラやレンズを置きっぱなしにするとどうなる

バッテリー性能の低下

高温ほど気を付ける必要はありませんが、0度を下回るような環境にカメラを放置すると、リチウムイオンバッテリーの性能が一時的に低下するため、電池が減りやすくなったり、取れる枚数が減ったりします。最悪の場合は電源が入らくなることもあります。ただこれは一時的なもので、バッテリーを温めると回復します。

結露の危険性

キンキンに冷えたカメラやレンズを、急に暖かい場所へ持ち込むと、カメラやレンズに結露が発生し、最悪機材をダメにしてしまう可能性があります。ムシムシした日に冷凍庫にカメラを入れておいて、それを外に出せば、カメラがどうなるかは容易に想像できるかと思います。

結露すると内部の電子部品がショートしたり、レンズやセンサーに曇りが生じ、その後跡が残ってしまったり、カビが生えて使い物にならなくなるリスクが非常に高いです。

このように寒い車内では、直接カメラがどうこうなることはありませんが、その後の取り扱いを誤ると大変なことになるので注意しましょう。

これ以外にカメラやレンズを車内に入れっぱなしにすることで、盗難の可能性があります。やむをえずカメラやレンズを車内に入れて車を離れる場合は、外から目につかない場所へ保管することも大切です。

カメラを高温にさらさないためにできること

クーラーボックスに入れて保管

どうしても暑い車内へカメラやレンズを置いたままにするのであれば、クーラーボックスを準備して、その中に入れるようにしましょう。

クーラーボックスは手提げタイプや薄いバッグタイプの保冷ボックスのようなものではなく、キャンプや魚釣りで使うような箱状(ハードタイプ)のしっかりしたものを準備します。

炎天下の車内でカメラやレンズを保管する場合は、クーラーボックスを使うとよい

ジュースのように冷やす必要はないので、保冷材は不要です。逆に氷や保冷剤を入れてジュースや弁当と一緒に保管してしまうと、中の湿度が高くなったり、冷えすぎて取り出した時の結露など別の問題が発生するので、食品とは分けて機材専用のクーラーボックスを準備しましょう。

真夏に長時間保管する場合は、常温(20℃くらい)の水や飲み物が入ったペットボトルなどを一緒に入れておくと、クーラーボックスの中の温度上昇をある程度抑えることができます。冬場はそのまま入れておけば、冷えすぎる心配もありません。

またクーラーボックスの性能によっても断熱性能は大きく変わります。ホームセンターに売っている安物は保温力が低いですが、釣り用や本格アウトドア用の価格の高いものは断熱性能が高いです。

車から出して持ち歩く

これができれば苦労しませんが、可能であれば暑い車内から持ち出すようにしましょう。真夏であれば短時間でも車内の気温が上がるため、「ちょっとだけなら」という油断も禁物です。遠くまで持ち出せないのであれば、コインロッカーなどを探して保管しておくのも手です。

風通しのよい場所や日陰に停めて窓を少し開ける

風がよく通る場所や日陰に車を停めて、窓を少し開けておくと真夏でも気温上昇を抑えることができます。駐車場を探すのであれば立体駐車場などがおすすめですね。日陰に停める場合は時間経過とともに日光が当たらないかもよく考えておきましょう。

窓は1~2センチほど開けるようにするだけでも、車内の温度がある程度下がります。開けすぎると雨が降ったときに濡れてしまう可能性がありますし、防犯上もよくありません。

エアコンをつけたままにする

短時間であればエアコンをつけたままにしておくことも考えましょう。アイドリングをしたままでもよい場所かどうかはよく確認し、車を離れる場合は必ず施錠をするようにしてください。

やむを得ず車に保管する場合は、後部座席の足元が望ましい

どうしても車に保管しなければならない場合は、直射日光が当たりにくい後部座席の足元に置きましょう。見えない場所に置くことで防犯にもなりますし、温度上昇も比較的抑えられます。1~2度高温にさらしたところで、すぐにカメラやレンズが壊れるわけではありません。常日頃から炎天下にカメラを放置することが危険なので、それほど危惧する必要はありません。

車の中にカメラやレンズを放置する危険性について まとめ

  • カメラやレンズの適切な使用・保管温度は0~40℃程度
  • 真夏の炎天下の車内では70℃以上に到達する場合もある
  • 真冬の車内は外気温とほぼ同じ程度まで温度が下がる
  • 真夏の炎天下にカメラやレンズを放置するとデメリットしかない
  • 寒い車内への放置は致命的な影響はないものの、結露や能力低下に注意
  • できるだけカメラやレンズの温度を上げない対策が大切

特に夏場の炎天下の放置が要注意で、バッテリー性能が著しく低下し、電子部品の故障や機構の劣化などデメリットしかありません。普段からカメラやレンズを車内に入れっぱなしにしている方は、これを機会に保管場所を見直すようにしてください。

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