モバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際のルールや注意点について

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モバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際のルールや注意点について

電源がないところでも手軽にスマホやタブレットなどを充電できるモバイルバッテリーですが、飛行機に持ち込む場合は一定のルールがあり、持ち込める条件や方法などをあらかじめ把握する必要があります。ここでは2025年7月からモバイルバッテリーの持ち込みルールが大きく変わる内容も含めて、モバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際のルールや注意点についてご紹介したいと思います。

モバイルバッテリーが燃えたら飛行機は大変

スマートフォンや携帯ゲーム機、ノートパソコンなどの充電に非常に便利なモバイルバッテリーですが、取り扱いを誤ったり、外部からの衝撃や圧力、粗悪品の使用など、確率は低いものの、さまざま要素が原因で発火することがあります。

そしてモバイルバッテリーを含むリチウムイオン電池搭載製品の発火事故件数は、年々増加傾向にあります。

もしフライト中の飛行機の中でモバイルバッテリーが激しく発火して燃えてしまったら… 客室ならともかく、誰もいない荷室で燃え出したら… 想像するだけで恐ろしいですよね。

このようにモバイルバッテリーを含むリチウムイオンバッテリーを飛行機に持ち込む際には、万が一の発火や発煙などが起きてもすぐに対処できるように、一定のルールや注意点があります。

モバイルバッテリー・リチウムイオンバッテリーは飛行機の荷室へ預けることができない

モバイルバッテリーは飛行機の荷室に(預け荷物として)預けることはできません。これは、モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池が、強い衝撃や熱によって発熱・発火する危険性があるためです。

モバイルバッテリーは客室に持ち込むことができる

万が一、貨物室で発火した場合、CA(客室乗務員)がすぐに消火活動を行うことが難しいため、安全上の理由から預け入れが禁止されています。

もし誤って預け入れ手荷物に入れてしまった場合、空港での荷物検査で発見され、呼び出されて荷物から取り出すよう指示されます。取り出したものは手荷物として機内持ち込みに切り替えることになりますが、最悪の場合、フライトに間に合わなくなったり、遅延して回りに迷惑をかける可能性もあるので、チェックイン時に預けてしまわないように十分注意しましょう。

リチウムイオン電池が、本体に装着された状態なら預けることも可能

モバイルバッテリーは飛行機への預け入れができませんが、電子機器本体にあらかじめリチウムイオン電池が装着されているものは、例外的に預けることができます。例えば以下のものはそのまま預け荷物として飛行機に乗せることができます。

飛行機に預けられるもの

携帯電話・スマートフォン

デジタルカメラ・デジタル一眼カメラ・デジタルビデオカメラ

ノートパソコン・タブレットパソコン

携帯用ゲーム機・ワイヤレスイヤホン・ウェアラブルデバイス(アップルウォッチ等)

※いずれもリチウム含有量が2g以下。電源OFF・強固なスーツケースなどに入れる・やわらかい衣類などで保護するなど条件あり

ただし、精密な電子機器を預け荷物にしてしまうと壊れるリスクも高いため、筆者としてはおすすめできません。

モバイルバッテリーは飛行機の客室への持ち込みのみ可能

モバイルバッテリーは予備電池単体となるため、客室内持ち込み手荷物として機内へ持ち込む必要があります。また、持ち込むにしても一定のルールがあり、バッテリーの容量によって制限される場合があります。

機内へ持ち込める個数や容量にも制限あり

飛行機の客室へモバイルバッテリーを持ちこむことは可能ですが、1人当たりに持ち込める個数や容量が決まっています。まあ旅行や出張でも大量に持ち込むことはないかと思いますが、ノートパソコンでも充電可能な大容量バッテリーを持ちこむ場合は、容量制限に注意しましょう。

モバイルバッテリーを飛行機の機内へ持ち込める条件

●ワット時定格量(Wh)定格量の制限

100Wh以下:国内線は個人で使用する範囲で個数制限なし。国際線は5~20個と会社によって幅が大きい

100Wh~160Wh:1人当たり2個まで(事前の申告が必要な場合もあり)

160Wh以上:持ち込み不可(空港に置いてくるしかない)

このようにバッテリー容量の小さいものは数量制限がなく、大きめのものは持ち込める数量が決まっています。

ワット時定格量(Wh)の見方

近年のモバイルバッテリーには、ワット時定格量(Wh)が表示されていますが、一般的なスマートフォンやタブレットを充電できるUSBモバイルバッテリーのワット時定格量は以下のように求めることができます。

3.6V 5,000mAhのモバイルバッテリーの場合

3.6×5=18 18Wh

電圧はそのまま3.6、10,000mAhは10として考え、5,000mAhは5、それぞれを掛け合わせればワット時定格量が求められます。ですから3.6Vで5,000mAhのモバイルバッテリーの場合は、18Whということになりますね。これは機内に持ち込める制限の100Wh以下になるので、これくらいの容量なら個数の制限なく機内へ持ち込めますね。

3.6V 20,000mAhのモバイルバッテリーの場合

3.6×20=72 72Wh

私たちがよく使う5,000~20,000mAhのモバイルバッテリーであれば、特に制限を気にする必要はありません。10,000mAhで36Wh、20,000mAhでも72Whとなるため、数量制限なしの部類に入ります。計算上ですが、おおむね3.6V 27,000mAh以内の容量であれば、特に気にする必要はないでしょう。

100~160Whは個数制限で持ち込み可ではあるものの、事前承認など手続きが面倒な場合があるので、やめたほうがいい

100Wh~160Whのモバイルバッテリーも、一応持ち込みは可能ですが、特に国際線を中心に事前承認が必要な場合もあり、手続きが面倒になることもあります。一般的な出張や海外旅行であれば、20,000mAhもあれば十分な容量だと思いますし、そこまで容量の大きいモバイルバッテリーを持っていくこともないと思います。(どうしても必要なら20,000Ahのモバイルバッテリーを2.3個持っていったほうが楽)

よほどの理由がない限り、100Whを超えるようなモバイルバッテリーは持っていかないようにするのが無難です。

モバイルバッテリーに「Wh」の表記がないと持ち込み不可の可能性も

このように電圧と容量による計算式でWhの数字を割り出すことができましたが、実際にはモバイルバッテリー本体に「Wh」の記載がないものは、原則として飛行機に持ち込めない可能性が高いと言えます。

最近のモバイルバッテリーにはWhの記載があるものの、古いものや、一部メーカーのものはWhの記載がないものも多く流通しており、事前にWhの記載があるかチェックしておきましょう。

日本の保安検査であれば、Whの記載がなくても計算式で割り出したりするなど説明すれば、保安検査員の裁量でOKとなる場合もありますが、海外では説明が難しいため、無難にWhの記載があるモバイルバッテリーを準備しておきましょう。また、印字がこすれて見えない場合も同様に不可となることがありますので、トラブルを避けるためにも事前に確認しておくことをおすすめします。

海外の航空会社では、持ち込みはOKながらも、機内での使用は禁止という動きが多くなってきている

アジア圏を中心にいくつかの航空会社では、飛行機内でのモバイルバッテリーの使用そのものを規制しているところが増えています。要は機内へ持ち込むことはできるが、使うのはダメです。という意味ですね。使用中や充電中の事故が多いというのが原因です。

主な規制内容は以下の通りです。

2025年7月現在、アジア圏以外の各航空会社では、今のところモバイルバッテリーの使用を規制しているところはありませんが、今後は使用自体を規制する航空会社が増えてくるのではないかと思われますので、常に最新情報をチェックしましょう。

中国の国内線は3C認証のロゴが入ったものしか持ち込めない

中国で民間航空を管轄する中国民用航空局は、2025年6月28日以降、3Cロゴがなかったり、不鮮明なモバイルバッテリーの飛行機の持ち込みを規制すると発表しました。

3Cは中国強制製品認証(China Compulsory Certification)のことで、日本で言うPSEマークと同等の安全認証だと思ってもらえればよいですね。

3Cロゴ
3Cロゴの見本

今後は中国の国内線の飛行機に限り、この3Cロゴがあるモバイルバッテリーしか持ち込みができなくなります。中国へ短期旅行や出張で出かける場合、日本からの直行便であれば問題はありませんが、乗り継ぎで中国の国内線を使う場合は注意が必要です。

これは日本のPSEロゴや海外のCEロゴは対象外であるため、これらのロゴがあっても3Cロゴがないと持ち込めません。つまり日本で買ったモバイルバッテリーは中国国内線の飛行機に持ち込めないと思ってもらえればよいでしょう。せっかく日本から持ってきても、途中で手放す羽目になるので、中国の国内線を利用する場合は現地で3Cロゴ入りのモバイルバッテリーを調達するようにしましょう。

日本の航空会社は2025年7月より新ルールが適用されます

日本の航空会社に関しても、使用禁止とはなっていないものの、2025年7月より新しいルールが制定されました。以下の2点を注意するようにしましょう。

収納棚にモバイルバッテリーを入れてはいけない

モバイルバッテリーが入ったままの荷物を収納棚に入れてはいけない

座席の上にある収納棚へはモバイルバッテリーを入れないようにしましょう。万が一収納棚でモバイルバッテリーが発火してしまうと、発見が遅れて大変なことになる可能性があるからです。必ず身の回りのバッグやポケットなどに入れておき、うっかり収納棚へ入れないように注意してください。

充電するときは常に状態が見える場所で行う

常にモバイルバッテリーの状態が確認できる場所で使用する

機内でモバイルバッテリーからスマートフォンやタブレットへ充電する際、または機内の電源からモバイルバッテリーへ充電する際は、常に状態が確認できる場所で行う必要があります。常に目視で確認できれば、急に発熱してきたり、膨らんできても速やかに報告・対処ができるからです。

海外旅行や出張におすすめのモバイルバッテリーは?

海外旅行や海外出張などは、できるだけ荷物を少なくするのが鉄則です。モバイルバッテリーを充電するためには、USB充電器やケーブルも必要になるため、何かと荷物が多くなります。ですからコンセント一体型のモバイルバッテリーがおすすめです。充電器とモバイルバッテリーが一緒になっているためとても便利。ぜひ検討してみてください。

Anker PowerCore Fusion 10000 

海外旅行や出張にはコンセント一体型が便利で、コンセントに挿しておけば勝手に充電され、電源のない所ではモバイルバッテリーとして使うことができます。この製品は9700mAhの高容量、スマホやタブレットもPD対応の20W出力充電が可能。パススルー充電に対応しているのでホテルに着いたらコンセントに挿すだけで、まず接続された端末を充電、その端末がフル充電されたら本体への充電もされるので、寝ているうちに完全充電できます。

Anker PowerCore Fusion 5000 

とにかく軽くて持ち運びもしやすい充電器付きモバイルバッテリーをお探しの方は、こちらがおすすめです。重さ約185gに、スマホが約1回分充電できる5000mAhの容量と、スマホやタブレットの充電だけなら十分なスペック。充電器も兼ねているので、ホテルでも外出先でも手軽に充電できるお手頃タイプです。AC時最大30Wで充電できるPD充電に対応、モバイルバッテリー時でも最大で22.5Wの高速充電が可能です。

エレコム モバイルバッテリー 5000mAh EC-C18LBK 

「持っていくのはスマホだけ」そういう方にはお手軽1ポートのモバイルバッテリーがおすすめです。もちろんコンセント一体型なので1台2役、電源のないところではモバイルバッテリーとして、電源のある場所ではUSB充電器として使用できます。スマホ約1回分のちょうどいい容量に、重さ約180gと非常に手ごろ。最大出力20WのPD充電も可能なため、素早くスマホに充電できます。また財布にも優しくリーズナブル。

モバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際のルールや注意点について まとめ

  • 近年飛行機の中でモバイルバッテリーが発火する事故が増えている
  • モバイルバッテリーは飛行機の荷室へ預けることはできない
  • 一定の容量以下であれば客室へ持ち込むことができる
  • 容量が確認できなかったり、刻印がないものは持ち込めない場合もある
  • 海外の航空会社では、持ち込みはできるものの、使用を規制している会社もある
  • 日本でも保管場所や使用条件など、2025年7月よりルールが改正された
  • できるだけカメラやレンズの温度を上げない対策が大切
  • コンセント一体型のモバイルバッテリーがおすすめ

このようにモバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際には一定のルールがあり、近年では事故が多いため規制が変わることも多い状況となっています。上記の内容を参考に、常に最新の情報を入手するようにしてください。

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