高いカメラで撮ればいい写真が撮れるの?

初心者の人で多いのが「いいカメラを使っているから、いい写真が撮れるのは当たり前」、「これだけいい写真だから、さぞ高いカメラを使っているんだろう」という声。果たして本当にそうなのでしょうか?

ここでは、高い機材を使えばいい写真が撮れるのかを考えてみました。

高いカメラで撮ってもいい写真は撮れない

自分が使っているのは入門カメラにキットレンズ、隣で撮っているカメラマンは、いかにも高級そうなカメラにレンズ・・・「さぞ、いい機材を使っているから、いい写真が撮れるんだろうな」と考えることでしょう。

初心者の人ほど、「高いカメラ=いい写真が撮れる」と妄想しがちですが、そうではありません。写真を撮るのが上手な人は、入門機やスマホで撮影してもいい写真を撮ることもできますし、初心者であればいくら高い機材を使っても宝の持ち腐れになってしまいます。

特別な条件やシーンを除いてであれば、カメラの性能よりも構図やカメラマンの腕に左右されるため、高いカメラを使っているからいい写真が撮れるわけではありません。

結局いいカメラやレンズって何が違うの?

では入門機と高級機の違いって何なのでしょうか?実際のところ、耐久性が高く、カメラメーカーの先進機能が盛り込まれているものが高級機ということになります。結局その先進機能も数年すると入門機まで標準装備されてくることになりますが、その頃にはさらに新しい機能や性能を持ったものが開発され、またそれが高級機から搭載し始める・・・の繰り返しになります。

結論からいくと、高級機を使うと耐久性に優れ、撮影の限界の幅が広がると思ってもらえればいいでしょう。

耐久性、防水・防塵性能の違い

まず入門機と高級機の違いで大きいのは、頑丈にできているかどうか・耐久性能が高いかどうかが挙げられます。高級カメラになればなるほど過酷な環境や多くの撮影枚数に耐える仕様になっており、特に防水・防塵機能が高まっています。

高級カメラほど過酷な環境でも耐えられるような設計になっている

また、高級機ほど衝撃に強く壊れにくい構造になっており、ボディに金属が使われているなど、要所要所が強化されています。一方入門機は雨やホコリにも弱く、過酷な環境での使用を想定していません。

とは言うものの、電子系は入門機も高級機も同じように故障するため、「高級機=絶対に故障しない」ということはありません。

イメージセンサーの違い

イメージセンサーとは、レンズを通った光を受け取り、電気信号に変えるフィルムの役割がある重要な部分です。イメージセンサーは「大きさ」「感度」「画素数」といった要素があります。

イメージセンサーの大きさは大きい順に「フルサイズ」、「APS-C」、「フォーサーズ」、「マイクロフォーサーズ」など複数のサイズに分かれており、イメージセンサーの大きさがAPS-Cより大きいフルサイズのほうが価格が高くなります。

またフルサイズほどセンサー1つ1つの面積が大きくなるため、暗い光でもノイズの少ない写真が撮れたり、背景がよりボケやすいといったメリットもあります。

「高画素=高画質」「高画素=高級カメラ」というのは間違いであり、感度と画素数のバランスが大事です。スポーツや動くもの重視であれば2000万画素程度のものがおすすめで、風景などじっくりピントを追い込むシーンであれば、4000万画素を超える高画素機がいいでしょう。

イメージセンサーも高級機ほど高性能なものが使われており、高ISO感度に強かったり、ダイナミックレンジが高いなど、さまざまな恩恵を受けることができます。

AF性能の違い

入門機と高級機の大きな違いの1つとして、AF(オートフォーカス)性能の違いが挙げられます。これは風景やスナップ写真のように静止している被写体に対してはほとんど差がありませんが、動いている被写体に対して、高級機ほど失敗写真が少ないというメリットがあります。

高級カメラほどAF性能が高く、狙った場所にピントを合わせやすい

ただこれも、ある程度カメラマンの技量(しっかりと動いている被写体にピントを合わせて撮影する技術)が必要になるため、素人が高級機を使えばピントをぴたりと合わせて撮影できるような魔法のカメラではありません。

また、モータースポーツや野鳥など、撮りたいシーンに合わせてAFをカスタマイズできる機能も高級機には充実しており、より自分に合った設定ができることも可能です。

逆にそういうシーンは撮らない(風景メイン)のであれば、AF性能の優れた高級機は不要ということになります。

高級機は簡単撮影モードが省かれている

高級機は撮影に慣れた人向けに作られているため、入門機で多い初心者向けの簡単撮影モードが省かれています。例えば特定のシーンに特化した簡単モードが(夜景・料理・ポートレート・運動会…など)ないため、すべてのシーンにおいて自力で設定する必要があります。

高級機でも唯一「全自動モード」は搭載されていますので、カメラ任せの撮影だけは可能となっています。

連写性能の違い

高級機ほど連写性能が高いため、こちらもスポーツや動くものを撮影するときには、高級機が有利と言えます。しかしAF性能同様、風景やスナップ写真がメインであれば、連写性能は二の次になるためそこまで高級機が必要かといわれると、そうではありません。

情報表示や画面の違い

高級機ほど液晶画面やファインダーの画面が見やすく、きめ細やかになっています。シビアなピント合わせがしやすいほか、撮影後の確認も細かいディティールまでチェックしやすいメリットがあります。

操作性やカスタマイズ性の違い

高級機ほどたくさんのボタンやダイヤルがついており、それを自分なりにカスタマイズすることも可能です。もともとのボタンの機能を違う機能に置き換えたりすることもできますので、より自分好みのカメラに変えることができます。

レンズは明るいレンズ・収差の少ないレンズほど高い

レンズに関しては、明るいレンズほど価格が高くなる傾向があるため、特にF2.8通しのズームレンズなどは価格が高くなります。また、収差(ひずみや色にじみなど)の少ないレンズほど価格も高くなるため、一見同じに見える写真でも、拡大して比べてみると違いを感じることができます。

これも高いレンズを使えば上手に撮れる・・ということではなく、「限界の幅が広がる」「より高画質に撮影できる」というほうが正しいので、高いレンズを使えば誰でも感動的な写真を撮れるということではありません。

高い機材やレンズを使わなければうまく撮れないシーンもある

高い機材を使いこなすにはある程度の技量が必要・・・と言ってきましたが、撮影する条件やシーンによっては、高級機・専用のレンズが必要なになる場合もあります。要は腕だけではカバーしきれない部分もあるということですね。

星空・夜間の手持ち撮影

星空を撮影するには、できるだけ高感度でノイズの少ない高性能カメラ、F値の明るい広角レンズが必要になります。これらは中級機以上の性能をもったカメラや、F2.8以下の明るい高級レンズが必須になるため、上手に撮るためにはある程度いい機材が必要になります。

こういう星空を撮影するには、明るい広角レンズや高感度撮影ができるカメラが必要

安い機材で星空を撮る場合は、赤道儀といった星を追従できる架台が必要になるため、どちらにしてもお金がかかります。

夜間の手持ち撮影も高感度に強いカメラ+明るいレンズが必要になるため、ある程度機材の力に頼らなければないらないシーンも多いです。

野鳥やモータースポーツなど

被写体に近寄って撮れないモータースポーツや野鳥撮影などは、腕やスキルはもちろん、それなりにAF性能や連写性能が高いカメラ、遠くまで撮影できる超望遠レンズなど、高級機や高級レンズが必要になります。

高いカメラを使いこなすには、それなりのスキルも必要

普段街乗りしか車の運転をしない人が、F1のマシーンに乗っても速く走れない・・・と同じことで、カメラの初心者が高級機を使っても、使いこなせなければ宝の持ち腐れです。

お金持ちで見た目から入るカメラマンも中にはいらっしゃいます。中にはフルサイズの高級機に大三元のレンズ、三脚はジッツオの高級品をぶら下げて撮影に来ているのに、「ISO感度って何?」「一段暗くって、どうやるの?」とかの声を聴いてしまうと、ちょっとシラケてしまいますね。

見た目で入るのは決して悪くありませんが、スキル相応の機材を使わないと赤っ恥をかくこともあります。またせっかくのシャッターチャンスでも、機材をうまく使いこなせなければ意味がありませんので、高いカメラを使うには、それなりのスキルを身に着けることも大切です。

初心者がいきなり高級機に手を出してもいいのか?

今後しっかりとカメラと向き合っていく覚悟があるのなら、ありです。初心者が初心者向けの入門機を手に入れても、カメラの世界にハマってしまうとすぐにそれより上のグレードのものが欲しくなってきます。

「どのみち買い替えるなら」という理由であれば、初めからいいカメラを手に入れてしまうのも選択肢の1つと言えます。飽きてしまったときのダメージは大きいものですが、仮に不要になって売却を考えている場合でも、高級機のほうが価格の低下が少なく、ある程度の相場で売ってしまうこともできます。

高いカメラで撮ればいい写真が撮れるの? まとめ

  • 高いカメラやレンズを使ってもよい写真が撮れるわけではない
  • いい写真が撮れるかどうかは、カメラマンの技量や腕によるほうが大きい
  • 高級機ほど撮影できる限界の幅が広がる
  • 星空や野鳥など、シーンによっては技量だけではカバーできないこともある
  • いいカメラを使いこなすには、カメラマンのスキルを上げておく必要がある
  • 今後カメラとしっかり付き合っている覚悟があるなら、初心者で高級機を買うのもアリ

高いカメラを使っても、感動的な写真を撮ることはできません。言い換えれば入門機でも感動的な写真はいくらでも撮ることができます。高級機ほど撮影の限界の幅が広がることであり、撮影のイロハができていない人が撮れば宝の持ち腐れです。

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