「あまり使っていないのに、すぐ電池の残量がなくなってしまった」「撮影が長丁場になりそうな予感がするけど電池の予備が1つもない・・・」となったことはありませんか?
デジタルカメラのバッテリーも車やスマホと同じで、少し意識することで節約することができます。予備の電池を十分用意しておくことに越したことはないですが、ここではデジタル一眼レフカメラの電池を長持ちさせるコツをご案内したいと思います。
液晶画面の表示を控える
バッテリーを大きく消費する原因の1つとして液晶画面の表示が挙げられます。
最近のデジタル一眼レフカメラの液晶画面は、大型化・明るさアップ・高精細化され、多彩なディスプレイ表示が可能になり、見やすく使いやすくなっていますね。
そのためついつい液晶画面を表示させたままになりがちです。カメラの電源を入れるとF値や絞り、モードやISO感度、ホワイトバランスやその他の情報が全て見られて便利な液晶画面ですが、一旦設定をしたら液晶画面をこまめにOFFにすることを心がけましょう。
液晶画面を表示させたままにすることで、電池の消耗が激しくなります。カメラによって設定は異なるものの、INFOボタンやDISPボタンを押すことで液晶画面を切ることができます。
また、液晶画面の明るさを控えめにすることでバッテリーを長持ちさせることもできますし、プレビュー時間を短縮することでも効果があります。
デジタル一眼レフカメラには、基本的な設定(シャッター速度・絞り・露出計・露出補正・ISO感度等)がファインダーで見ることができるようになっています。もちろんファインダーを見ながら設定を変えることもできますので、操作に慣れてきたらファインダーを見ながら設定を変えれるようにしましょう。
上の図はファインダーの中ですが、フレームの下には情報が表示されています。近年のディスプレイでは更に多くの情報が表示できるものもあります。
この画面を覚えてしまえば設定を変えるのに液晶画面を表示させなくても済むので、電池の節約はもちろん、設定の変更もスピーディーになりますね。
電子ビューファインダーを搭載しているカメラであれば、基本的に液晶画面に出ている情報はファインダー上でも確認できます。ミラーレス一眼は電池の消耗が激しいので、液晶画面はできるだけOFFにしておくようにしましょう。
メモリーカードに余裕があるなら消去は後から行う
撮影した後は液晶画面にプレビュー画面が表示されますね、あからさまに失敗した写真などはその都度消去したりしている方もいると思います。メモリーカードの容量が緊迫していない限り、その都度の消去は控えましょう。
気に入らないものを選びながら削除することはできますが、この時もバッテリーは少しずつ消費されていきます。消去は後からでもできますので、無駄に液晶画面を表示させないようにしましょう。
短い時間なら本体電源をON・OFFしない(一眼レフカメラのみ)
撮影の間隔が10分以上空くのなら別として、数分の撮影の間ならON・OFFしないほうが逆にバッテリーの持ちがよくなる場合があります。
最近のデジタル一眼レフカメラはイメージセンサー(撮像素子)の自動クリーニング機能がついています。これはカメラの電源のON・OFF時に働くため、何度も電源を入れたり切ったりすると必要以上にクリーニングを行い、電池消耗が多くなります。
デジタル一眼レフカメラは液晶画面の表示をさせていない限り、ONのままでもほとんど電池は消耗しません。ですから液晶画面をOFFにしていれば電源がONのままでもそれほど問題はありません。
それでも心配でON・OFFしてしまう方は、イメージセンサーの自動クリーニング機能をOFFにすれば、ある程度電池の消耗を抑えられます。
※液晶画面しかないミラーレス一眼カメラは電源をこまめに切った方がバッテリーの持ちが良くなります。
設定画面で自動クリーニングをOFFにしましょう。電源を入れる、切るだびに行うクリーニングを行いませんので、電池の節約につながります。
ライブビュー撮影はバッテリーを大きく消耗する
液晶画面で撮った写真を再生するプレビュー以上に電池を消耗するのが、ライブビュー撮影と呼ばれる液晶画面を見ながらの撮影です。
ライブビュー撮影は液晶画面がONになり続けるだけでなく、イメージセンサーや映像エンジン、その他センサーなども全て稼働している状態となるため、非常に多くの電力が必要になります。構図を決めてピントを合わせて、条件を設定して・・・なんてことをしていると、あっという間に電池がなくなっていまします。
ライブビュー撮影は夜景などの撮影には威力を発揮する機能ですが、使いすぎてしまうと電池の消耗が激しく、気が付いたころには手遅れという場合もありますので、多用する場合は注意しましょう。
対策としては、明暗差があって比較的明るい場所ならファインダーでもピントを合わせることができるので、ライブビュー撮影を控えることも大事です。また夜景などの撮影では液晶画面の明るさを暗めに設定することでバッテリーの節約につながります。
ミラーレス一眼カメラの場合は、まだ電子ビューファインダーのほうがいくらか電力の使用を抑えられます。
ストロボ(フラッシュ)を多用しない
ストロボの多用はバッテリーを大きく消費します。撮影可能枚数はストロボを使うと半分以下になってしまうため注意が必要です。内臓ストロボはバッテリーを消費する割にはにガイドナンバーが小さいため、一眼レフカメラの性能を発揮するには外付けのスピードライトがおすすめです。
室内撮影をメインにストロボを多用する場合は、別に電源があるスピードライトを用意しましょう。
電動ズームの多用はバッテリーを消耗する
コンパクトデジカメや、一部のミラーレス一眼カメラでは、ボタンを押すだけでズームができる電動ズームが採用されているものがあります。
電動ズームはモーターでズームリングを回して焦点距離を可変させますので、当然動かせばバッテリーを消耗します。
日常の撮影において「ズームを控える」というのは難しいですが、必要以上にズームを行ったり来たりさせないように注意しましょう。尚、ズームリングを手で回すタイプのものは電力は使いません。
三脚を使うときは手ぶれ補正をOFFにする
手振れ補正機能は、手持ち撮影によるブレを軽減させてくれる便利な機能ですが、シャッターボタンを半押しにしている間ずっと手振れ補正に使う電力を消耗しています。
三脚にセットして撮影する場合は、手振れ補正をOFFにしましょう。ONのままですと無駄に電池を消耗するだけでなく、本来止まっている画像が手振れ補正でブレてしまう可能性もあります。
上の写真はCanonの設定画面。静音1枚撮影のほか、連続撮影も可能(機種によってできないものもあります)
寒い場所ほどバッテリーが長持ちしない
リチウムイオンバッテリーは寒い場所で使用すると、電力が一時的に低下する性質を持っています。一般的には暖かい場所で使用するときと比べて、気温が0度で80%程度、マイナス20度になると50~60%程度しか使えませんので、バッテリーの減りが普段より早いと感じてしまうかもしれません。
とても寒い場所で使用する際は、使用直前までバッテリーをポケットに入れておくなど、暖かい場所で保管しておくとよいでしょう。寒い場所で使っても、暖かい場所にバッテリーを戻すと電力は回復します。
GPS・Wi-Fi・Bluetoothなどは必要に応じて
最近のカメラは撮影した場所が記録できるGPS機能や、スマホやパソコンなどと無線通信ができるWi-Fi機能、便利な遠隔操作ができるBluetoothなど、外部通信ができる機種も増えてきました。特にGPSやWi-Fiは電力をたくさん使用しますので、不必要な場合は通信機能をOFFにすることで電池が長持ちします。
バッテリーの保管はある程度使い切ったまま保管するとよい
近年のバッテリーは「リチウムイオン電池」が主流で、以前のニカド電池やニッケル水素電池と違ってメモリー効果が生じないため、基本的には継ぎ足し充電をしても問題ありません。
しかし一日中使用しているスマートフォンなどと違い、趣味のカメラは使う日とそうでない日がありますが、バッテリーの保管は満充電のまま保管すると劣化が進みます。
「とっさのときでもすぐに使えるように、常に100%(満充電)にして保管しておく」というのは間違いで、普段はある程度減っている状態で保管しておき、使う直前にフル充電するのが理想的な使い方です。ただし0%(過放電)のままの保管はよくありませんので注意してください。
また、バッテリーは高温になると劣化が早まるため、夏の車のダッシュボードや日があたるような場所に保管せず、できるだけ涼しい場所に保管しましょう。
いざという時のために予備バッテリーと外部で充電できる設備は準備しておく
これはバッテリーの長持ちとは関係ありませんが、どれだけ意識していても少しずつバッテリーは減っていきますし、「液晶画面を極力表示させない=しっかりしたプレビューやチェックができない」という矛盾に陥ってしまいますから、納得がいく撮影をするなら予備のバッテリーを準備しておくことは欠かせません。
また、外部で充電できる設備を準備しておくと安心です。例えば車で移動する場合はシガーソケットから100Vが供給できるアダプターを装備したり、モバイルバッテリーから充電できる器具も安価で手に入れることができます。
近年のカメラでは、直接USB充電ができるものも増えてきました。移動中や使わないときに充電もできますので、非常に便利です。
デジタルカメラのバッテリーを長持ちさせるコツ まとめ
- 液晶画面の表示とライブビュー撮影は電力を消費する大きな原因の1つ
- 液晶画面の表示時間の短縮や明るさを暗くすることでバッテリーを長持ちさせることができる
- 画像の消去もメモリーカード容量が十分なら後回しに
- 気温が0度を下回る環境下では、普段よりバッテリーが使えない
- フル充電は使用する直前に行い、保管するときはある程度少なくなっているほうがよい
- 長丁場の撮影では予備のバッテリーや充電設備があると心強い
カメラのバッテリーを長持ちさせるポイントは、液晶画面の表示時間をどれだけ短くできるかが鍵になってきます。液晶画面を表示させるのは確認するときだけにしておき、不要な表示を消すことでバッテリの持ちをよくすることができます。風景や夜景の撮影でどうしてもライブビュー撮影をメインに行うときは、予備のバッテリーをいくつか準備しておくと安心です。上記を参考にバッテリーを節約し、シャッターチャンスを逃さないようにしましょう。