カメラ・レンズ用の防湿庫の役割と選び方

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みなさんはカメラ用の防湿庫があることをご存じでしょうか。カメラやレンズは湿度の変化やホコリなどに弱く、普段の保管はできるだけ低湿度が保てる防湿庫に入れておくと安心です。

ここでは、カメラやレンズを保管する防湿庫の役割や選び方についてご紹介していきたいと思います。

防湿庫の役割・メリット

まず、カメラやレンズを保管する防湿庫の役割についてご説明しましょう。最も大きな役割としては、その名の通り湿度を低く保つことができることですが、それ以外にもいくつかメリットがあります。

カメラ用防湿庫の役割

低湿度を保ち、カビの発生を抑える

防湿庫の最大の役割は、低湿度に保つことでカビの発生を抑えることです。カビの発生は湿度が60%以上が目安と言われているため、低湿度にすればカビの発生が抑えられます。

カビはレンズやセンサーにとって大敵ですし、曇りとなって撮影に影響が出たり、そこから腐食する可能性もあります。防湿庫がカビ発生の脅威から守ってくれます。

ホコリなど物理的なダメージも防ぐ

防湿庫はドアがついた密閉式の入れ物ですから、外部からのホコリやチリなどの付着も防ぐことができます。意外に家の中はホコリがたまりやすいため、その辺にカメラやレンズを置きっぱなしすると、いざ使う時にホコリまみれということも。

施錠しておけば、子供のいたずらなども防げる

防湿庫は施錠できるものがあり、ドアをロックすることができます。小さいお子様がいらっしゃったり、ネコなどの(あけられないとは思いますが…)動物から守ることができます。

海苔など乾燥食品の保管にも使える

ドライボックスはカメラやレンズだけでなく、海苔などの乾物の保管にも防湿庫は使えます。カメラと食品を一緒にするのはどうかという意見は置いておいて、奥様に防湿庫の購入を交渉するための切り札として使ってみてはいかがでしょう。

メーカー公式にも、食品を入れる用途にも使用できるとの表記があります。食品以外にも、証紙や大切な書類、紙の写真、切手、革製品、CDやDVD、貴金属など、カビに弱いものなどの保管にも向いています。

防湿庫の構造はとても簡単、キャビネットと除湿ユニットのみ

防湿庫は何だかすごい機械だと思い込んでいる人も多いようですが、構造はとっても簡単です。大きくはキャビネットと呼ばれる箱と、除湿ユニットの2つに分かれます。

防湿庫の構造

キャビネットは金属製でできているものが多く、開閉部はガラスとパッキンで接続されています。キャビネットは空気が密閉できる構造になっていて、湿気や異物が入らないようになっています。

除湿ユニットは防湿庫の大きさにもよりますが、弁当箱くらいの大きさで、キャビネットを挟むような形で取り付けられています。

防湿庫の選び方は、大きさと除湿方式をチェックしよう

防湿庫はさまざまな大きさがある

防湿庫も家庭用の冷蔵庫と同じで、小さいものから大きいものまでさまざまなものがあります。容量の目安はリットルの単位があり、50Lを切る小型のものから、80L前後の中型、150Lを超える大型のものなどがあります。

防湿庫には棚があるため、大きい容量のものほど(背の高いものほど)棚がたくさんあります。棚には耐荷重がありますが、カメラやレンズを乗せる分には気にする必要はありません。棚の数はチェックしておきましょう。

防湿庫の容量の違い

また大きさもコンパクト型、縦長型、横長型などがあり、機材の量や設置スペースなどで選ぶことができます。一般的には縦長ですが、大きい望遠レンズを横向きに置くことができるのは観音開きタイプの強みです。

防湿庫の形の違い

当然大きい防湿庫ほどたくさんの機材を入れることができますし、カメラやレンズ以外にも、大切な書類や高湿度を嫌うものなど、ほかのものを収納しておくスペースも確保できます。

持っている機材の一番長い望遠レンズを確認

まずはお手持ちのカメラやレンズなどの機材をチェックしましょう。その中でも一番奥行があって長い望遠レンズをチェックします。

レンズキットに付属されているようなAPS-Cサイズの小型の望遠レンズであれば心配する必要はありませんが、フルサイズで300mmを超えてくるような大型の望遠レンズをお持ちの場合は、防湿庫の寸法が小さくて入らない可能性がありますので、防湿庫の内寸をチェックし、お手持ちのレンズが入るかどうかを確認しておくことが大切です。

持っている機材の総数と、将来のプランについて考える

次に持っている機材の量を確認し、確実に収納できる大きさの防湿庫を考えます。また、将来カメラやレンズを買い足す可能性があるのであれば、余裕を持った大きさの防湿庫を選んだほうがよいでしょう。

今持っている機材がギリギリ入る防湿庫を買ってしまうと、将来機材を買い足したときに入れることが出来ず後悔します。さらに防湿庫を買い足したり、大きいサイズに買い替えたりしなければならないので、ある程度余裕のあるサイズのほうがいいですね。

目安ですが、ボディや標準レンズは1個あたり5Lとして考えましょう。50Lの防湿庫であれば、カメラと機材を合わせて10個までが目安となります。ただし、大型の望遠レンズなどは場所を取るので10~15Lとして計算します。アクセサリやメンテナンス用品を入れるスペースも必要です。

大きいからと言って、電気代が大きくかかるものでもありませんので、予算と設置スペースが許す限り、大きめのものを買っておくことをおすすめします。

除湿方式はペルチェ式と乾燥剤式の2種類

防湿庫の除湿には、家庭用100Vのコンセントを使用しますが、除湿方式が大きく2種類に分かれます。

ペルチェ式は、ワインセラーや家庭用の除湿器などにも使用されている除湿方式で、素早く正確に除湿できるメリットがある反面、ペルチェ素子の寿命が数年程度と短く、消費電力がやや大きいのがデメリットと言えます。

乾燥剤式は、乾燥剤に水分を吸着させ、加熱して蒸発させることを繰り返すことで除湿を行う方式です。ペルチェ式に比べると急速除湿が難しく、細かい精度で除湿することが難しい反面、低消費電力で耐久性が高いのが魅力です。

ペルチェ式乾燥剤式
瞬間除湿能力高い低い
設定湿度の安定性高い低い
電気代1日数円1日1円未満
寿命5年程度10年以上
本体価格安い高い
寿命は目安であり、年数を超えても直ちに壊れるわけではありません。個体差も大きいです。

そのほかチェックしておきたい機能やアクセサリ

湿度調整機能

防湿庫には湿度を調整する機能がついています。とは言っても、家のエアコンなどとは違い、一度調整をしてしまえば、頻繁に切り替えるものではありません。ダイヤル式と電子式があり、ダイヤル式は回して調整、電子式はボタンを押して好みの湿度に調整できます。

温湿度計

ほとんどの防湿庫には温湿度計があらかじめ搭載されています。アナログタイプのものは電源不要で半永久的に使えます。防湿庫によっては電池式のデジタル温湿度計が付属されていたり、防湿庫自体に内蔵されていて光るものもあります。信頼性をよりチェックするために、予備でもう1つ入れておいてもよいでしょう。

棚の種類とクッション材

棚は鉄板タイプと引き出し式タイプがあります。鉄板タイプはそのままの棚になっていて、引き出すことができませんが、引き出し式はある程度前へ引っ張りだすことができるので、機材を出し入れしやすいメリットがあります。

また、棚にはクッション材が付属されているものがあり、棚板自体にクッション加工がされているものや、スポンジを置くもの、レンズが転がるのを防ぐ波型の物などがあります。別売りオプションで追加で購入することもできます。

購入したい防湿庫がどんなタイプで、どんなクッションがついているかチェックしましょう。

庫内照明や外部電源

防湿庫によってはLEDの庫内照明が搭載されているものがあります。また、外部電源が内蔵されているものを使えば、防湿庫内で充電することも可能です。

主な防湿庫のメーカー

主な防湿庫のメーカーをご紹介します。

東洋リビング

「東洋リビングと言えば防湿庫」と呼ばれるほど、約半世紀にわたって防湿庫一筋で開発、販売を続けている老舗メーカーです。カメラ用はもちろん、食品用や美術品用、業務用などさまざまな種類が販売されています。

特にカメラ用のオートクリーンドライは、光触媒が搭載された電子除湿ユニットが代表的で、除湿だけでなく、カビやにおいの発生も抑える働きがあります。

除湿ユニットは乾燥剤方式を採用、価格は高めですが、長期的に考えるとコストパフォーマンスにすぐれ、丈夫で長持ちします。大きさも39Lから237Lまで多種多様、管理人自身も東洋リビングの防湿庫を使っています。

トーリ・ハン

こちらも1983年に設立された、比較的歴史の長い防湿庫メーカーです。家庭用はもちろん、半導体などを保管する超低湿度デシケーターなど、業務用としても定評があります。

従来のベテランカメラマン向けの乾燥剤方式を採用したエターナルシリーズに続き、除湿ユニットにペルチェ式を採用し、低価格で設定がしやすい初心者向けのプログレスシリーズが新しくリリースされました。用途や予算に合わせたモデルがたくさん発売されています。

HOKUTO

HOKUTO(ホクト)は全機種にペルチェ式の除湿方式を採用している防湿庫メーカーです。非常に価格が安く、初心者向けの超小型タイプのものだと、一万円を切る価格で販売されており、最初の防湿庫を低予算で考えている方にはおすすめです。

全機種にメーカー5年保証がついているため、万が一の際にも安心です。超小型な25Lから150Lの大型サイズまで取り揃えています。

HAKUBA

HAKUBA(ハクバ)と言えば簡易ドライボックスが人気ですが、ラインナップは少ないものの、電子制御式の本格防湿庫も販売しています。

乾燥剤方式を採用しているため、長寿命で電気代がやすいのもメリット。またHOKUTOと同じく25Lの超小型タイプもあるため、初心者向けの最初の防湿庫としてもおすすめです。

SIRUI

SIRUI(シルイ)と言えば、三脚や雲台をイメージしますが、こちらもラインナップは少ないものの、本格的な乾燥剤式防湿庫を販売しています。

管理人おすすめの防湿庫

予算に余裕があるなら東洋リビング一択

いままでいろいろと防湿庫についてウンチクを説明してきましたが、「結局どれがいいの?」と聞かれたら「予算があるなら東洋リビング一択」と答えます。

価格はそれなりにしますが、一度買えばそう買い替えるものでもありません。私も10年以上使っていますが、今のところ故障することもなく元気に動いています。

東洋リビングでも人気があるのがこの77Lタイプの防湿庫ですね。初心者用としても申し分なく、機材を買い足しても十分収納できる能力があります。大型の望遠レンズを買わない限り、これ1つ買っておけば十分と言えます。

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機材を買い足す予定がなく、最低限の機材でOKという方は一番小さい39Lタイプがおすすめです。小型の機材だけなら十分な大きさがあり、防湿庫自体も小さいので置き場を選びません。

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たくさんの機材や、カメラやレンズ以外(切手やアルバム・食品や腕時計など)もたくさん収納したい方は、あえて大型の防湿庫を選ぶ選択肢もあります。小型の冷蔵庫並みの大きさがありますが、たくさんの機材を収納できます。

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少しでも初期投資を抑えたいならHOKUTOがおすすめ

なかなかそこまで防湿庫に予算が回せないという人は、HOKUTOの防湿庫をチョイスしましょう。50Lタイプでも2万円を切る価格で発売されているため、初心者向けの最初の防湿庫としてもおすすめです。

ペルチェ式は寿命が心配と思いますが、HOKUTOは全機種5年保証がついているので安心です。

初心者が最初に買う防湿庫としておすすめです。38Lの小型タイプで、キットレンズや標準レンズ程度なら数本ストック可能です。価格も1万6千円台とかなりリーズナブル。簡易ドライボックスの手間を考えると非常にコストパフォーマンスがよい商品です。

カメラ・レンズ用の防湿庫の役割と選び方 まとめ

  • 防湿庫はカビ・ホコリの防止、子供のいたずら防止、他の物の防湿にも使える
  • 防湿庫の構造は本体のキャビネットと防湿ユニットの2つのみ
  • 防湿庫は大きさと除湿システムの違いを把握しておくこと
  • 自分の機材が収納できるかどうかをチェックすることが大切
  • 最終的には東洋リビング一択、予算が合わなければHOKUTOを選ぶとよい

外付けのSDカードリーダーを取り付けると、カードの種類や環境によっては、とても速く撮った写真データをパソコンに取り込むことができるようになります。お手持ちのSDカードやパソコンのUSB端子をご確認いただき、最適なカードリーダーを購入していただければと思います。

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