写真のプリントサイズと注意点

※記事内にアフィリエイト広告を利用しています

デジカメで撮影したデータを写真屋さんに持っていて現像してもらうと、「アレっ、何か切れてる?」と思ったことはありませんか?
これはカメラで記録したデータと、実際に写真を印刷する紙の縦横比が異なることで発生する現象で、初心者の人が現像で頭を悩ます原因の1つにもなっています。ここではL判やDSCサイズなど、プリントサイズや比率、カメラごとのイメージセンサーの比率などをご案内したいと思います。

縦横の比率って何?

四角いものには、それぞれ縦と横の比率というものがあります。例えば昔のテレビの画面と言えば、横が4で縦が3、つまり4:3という比率で作られていました。今は縦横比が16:9の画面のものが主流であり、ほとんどのテレビは横長のワイド画面になっています。

横の長さに対して、縦の高さがどれくらいになっているのかを表すものが縦横比(アスペクト比)であり、例えば正方形であれば縦横比は1:1になります。四角いものには縦横の比率があると考えましょう。

写真のプリントサイズと縦横比の違い

カメラで記録する縦横比は主に2種類

カメラで撮影する縦横比率はどれも同じでは?と思っている人も多いようですが、実はカメラによって違いがあります。カメラというよりもイメージセンサー(撮像素子)の縦横比によって決まります。微妙な違いはありますが、主に2種類に分別されます。

デジカメの記録する縦横比の違い

比率4:3のものは多くのコンパクトデジカメで採用されており、コンデジで撮影するとほとんどはこの比率になります。またパナソニックやオリンパスなど、フォーサーズ(マイクロフォーサーズ)規格のミラーレス一眼カメラなども、4:3の比率で記録されます。

一方比率3:2のものはフルサイズ及びAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したカメラに採用されており、大半のデジタル一眼レフカメラや、これらのイメージセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラに使われています。3:2の比率のほうが横長に撮影できる特徴があります。

プリントした写真が切れてしまうのはなぜ

カメラによって縦横比が変わるのに対し、プリントする写真用紙のサイズにも縦横比があります。これがややこしい原因でもあり、カメラの縦横比とプリントサイズの用紙の比率が合っていないと、上下や左右が切れてしまう原因になります。

記録される比率が4:3のカメラで撮った場合

下の図は、コンパクトデジカメで撮影したデータを、よく使うL判とDSCサイズの写真に現像してみた結果を表したものです。

記録される比率が4:3のカメラで撮った場合

L判の縦横比はおおむね3:2なので、4:3の比率で撮影したデータでプリントしてしまうと、上下がかなりカットされてしまいます。せっかくの塔の上部が切れてしまってますね。
一方DSCサイズの縦横比はほぼ4:3なので、上下左右が切れることなくプリントできます。

記録される比率が3:2のカメラで撮った場合

続いてフルサイズやAPS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラで撮影したデータを同じようにL判とDSCサイズの写真に現像してみました。

記録される比率が3:2のカメラで撮った場合

今度はL判サイズでプリントしたものは、左右が僅かに切れるだけでほぼぴったりに収まりますが、DSCサイズでプリントしてしまうと左右がかなり切れてしまいます。奥にいる人まで途中で切れてしまいました。

このように撮影したデータの縦横比と、実際にプリントする写真用紙の縦横比をしっかり合わせてあげないと、意図しない仕上がりになることがあります。

プリントサイズの種類

上記ではL判とDSCサイズだけご説明しましたが、プリントサイズにはさまざまな大きさや種類がありますので1つずつチェックしてみましょう。

スクエア(正方形)サイズ

スクエア(正方形)サイズ 写真のプリントサイズ

スクエアサイズは、1:1の正方形型のプリントサイズです。以前はこのような縦横比の写真プリントはありませんでしたが、インスタグラムなどのSNSでは正方形で写真を記録することもあるため、スクエアサイズでプリントできる写真屋さんやプリントサービスも増えてきました。いずれにしてもそのままでは両端が大きく切れてしまうため、正方形にトリミングした写真データを用意する必要があります。

DSCサイズ

DSCサイズ 写真のプリントサイズ

DSCサイズは冒頭でもご紹介したサイズであり、縦横比が4:3の最もポピュラーなデジカメプリントサイズです。コンデジやフォーサーズカメラで撮影した画像ではほぼぴったり収まりますが、フルサイズやAPS-Cサイズでは左右がかなり切れてしまいます。

L判サイズ

L判サイズ 写真のプリントサイズ

L判サイズはDSCサイズをもう少し横長にしたプリントサイズで、縦横比がほぼ3:2のため、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真現像に向いています。最も手軽で小さいサイズであり、フルサイズやAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したカメラでのデジカメプリントとしては人気があってよく使われる標準的な大きさです。一般的な写真といえばこのサイズが使われます。

ワイド(ハイビジョン)サイズ

ワイド(ハイビジョン)サイズ 写真のプリントサイズ

ワイドサイズは縦横比が16:9の横長になっているプリントサイズです。コンデジやフルサイズ・APS-Cサイズのカメラでは上下がかなり切れてしまいます。主にスマートフォンで撮影した画像や、ビデオカメラで静止画を撮影した画像データにぴったりです。このサイズでプリントする場合は16:9にトリミングするとよいでしょう。

パノラマサイズ

パノラマサイズ 写真のプリントサイズ

パノラマサイズは縦横比が3:1の超横長のプリントサイズです。横長に撮影できるパノラマカメラなどで撮影したフィルムの現像向けですが、スマートフォンアプリなどでも簡単にパノラマ写真が撮れるため、近年人気が出てきています。残念ながらコンデジや一眼レフで撮影した画像をそのまま使うと上下がかなり切れてしまうため、トリミングや合成を行ってパノラマサイズに調整する必要があります。

はがき(KG)サイズ

はがき(KG)サイズ 写真のプリントサイズ

はがきサイズはほぼハガキと同じサイズなのでこのように言われており、別名KGサイズとも呼ばれています。縦横比が3:2なので、一眼レフカメラで撮影した画像データ向けです。L判より一回り大きくなりますので、小さくて物足りないときは、はがきサイズでプリントしてみるとよいでしょう。

DSCWサイズ

DSCWサイズ 写真のプリントサイズ

DSCWサイズは、DSCサイズの約2倍ほどの大きさがあり、はがきサイズよりも一回り大きいプリントサイズです。縦横比が4:3なのでコンデジやフォーサーズカメラ向けです。DSCサイズでは小さくて物足りないときや、大きめにプリントしたいときにおすすめです。

2L判サイズ

2L判サイズ 写真のプリントサイズ

2L判サイズはL判を2倍した大きさです。DSCWサイズをもう少し横長にしたもので、縦横比はほぼ3:2です。フルサイズやAPS-Cサイズのデジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラ向けのプリントサイズであり、少し大きめにプリントした人におすすめです。アルバムやフォトフレームもこの大きさに対応しているものが多いので、集合写真や大きく現像したいときはこのサイズがいいですね。

6切サイズ

6切サイズ 写真のプリントサイズ

ここからは一般的ではなく、額に入れて飾ったり、コンテストや展示会に出すようなサイズになってきます。6切判サイズはA4サイズを一回り小さくした程度の大きさで、縦横比は4:3なのでフルサイズ・APS-Cサイズの一眼レフカメラ・ミラーレス一眼で撮影した画像をそのまま使うと左右がかなり切れます。これより大きいサイズは4切、半切、全紙と呼ばれており、国際的な規格として決まっています。

ワイド6切サイズ

ワイド6切サイズ 写真のプリントサイズ

ワイド6切サイズは、6切サイズを少し横長にしたプリントサイズで、フルサイズやAPS-Cサイズの一眼レフ・ミラーレス一眼カメラで撮影した3:2の縦横比に合うようになっています。これより大きいサイズとしては、ワイド4切というものがあります。フォトフレームなどの種類も豊富なので、作品用に飾りたい場合はこのサイズを選びましょう。

A4サイズ

A4サイズ 写真のプリントサイズ

A4サイズはノートやコピー用紙などでもお馴染みの大きさですが、縦横比が約7:5なので、4:3のコンデジサイズですと左右が少し、3:2の一眼レフカメラだと上下が少し切れてしまいます。しっかりフレームに収めるならトリミングをしておくとよいでしょう。

これより大きいサイズとしてはA3・A3ノビがあり、デジカメプリントはもちろん家庭用のプリンターで印刷できるものもあります。フォトフレームの種類もたくさんありますので、保存用・作品用の1枚としておすすめです。

ピッタリにするにはプリントする前に縦横比を合わせておくのがベスト

プリントをする前に、ご自分はどのサイズでプリントするのかをあらかじめ決めておき、事前に縦横比を合わせておくことで失敗を防ぐことができます。

カメラによっては、記録できる縦横比を変更することができる

カメラによっては「アスペクト比変更」という機能があり、撮影する段階で縦横比をあらかじめ固定できるものがあります。一般的には1:1、4:3、16:9の最低3つは変更できるようになっていて、設定すると実際に撮影できない部分が黒い帯のようになって分かるようになります。

例えばフルサイズやAPS-Cサイズのカメラを用いて、DSCサイズで印刷すると決めている場合は、あえて設定で縦横比を変更してしまいましょう。

カメラに記録される縦横比に合わせてプリントサイズを選ぶ

例えばカメラがコンデジやフォーサーズカメラのように、記録される比率が4:3であれば、デジカメプリントを選ぶときにDSCサイズや6切サイズなどの4:3の比率でプリントするようにしましょう。

フルサイズやAPS-Cサイズのカメラであれば、L判やはがきサイズを選べば失敗が少ないと言えます。

プリントする用紙に合わせてトリミングを行う

きっちりと縦横比をプリントサイズに合わすのであれば、用紙の縦横比に合わせて左右や上下を切り取る(トリミング)作業を事前に行っておきましょう。スクエアやパノラマサイズなど、極端な縦横比の場合は事前に合わせておかないと、現像時に失敗します。カメラでできる機種もありますが、パソコンなどでやっておくとスムーズです。

写真のプリントサイズと注意点 まとめ

  • カメラで撮った記録比率には主に4:3と3:2がある
  • 記録されている縦横比とプリントする用紙の縦横比が違うと一部が切れてしまう
  • デジカメプリントの用紙サイズはさまざまな種類がある
  • 4:3ならDSCサイズやWDSC・6切サイズで印刷するとぴったり
  • 3:2ならL判や2L判、はがきなどに印刷するとよい
  • デジカメプリントする際は、データの縦横比と用紙の縦横比をあらかじめ合わせておく

せっかくお気に入りの写真を現像しても、上下や左右が切れてしまっていてはやり直しになってしまうこともあります。上記を参考に縦横比とデジカメプリントサイズをチェックしながら、最適な現像を行ってみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました