絞り優先(AV)モードで撮影しよう

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絞り優先モードは、デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラの撮影に慣れてた人にとっては、最もお世話になるとも言えるモードです。それだけ自由度が高く、特にデジタル一眼レフカメラの醍醐味である「ボケ具合」を自在にコントロールできるのが特徴です。

このサイトでの1つの到達点でもありますので、絞り優先モードをしっかり理解して使いこなせるようになりましょう。

絞り優先モードとは

絞り優先モード

絞り優先モードとは、絞り(F値)を任意に設定すると、最適な明るさにカメラがシャッター速度を自動で決めてくれるモードで、主にボケ量を調整するのに便利なモードです。

絞りを開放すると背景がぼけやすくなり、絞ると全体にピントが合った写真に仕上がります。絞り値はボケ量の調整だけでなく、イメージセンサーに入る光の量も調整することができます。

暗い場所での撮影を有利にしたり、またISO感度と相談しながら、理想の絞り値をあれこれ考えることもでき、レンズの特性を活かす撮影方法など、そのバリエーションは多種多用です。

絞り優先モードでの撮影と応用

それでは絞り優先モードで撮影してみましょう。

絞り優先モードの撮影方法

まず撮影モードを「Av」に合わせます。カメラの機種によっては「A」と表示されている場合もあります。ISO感度やホワイトバランス、AFの設定などは、メニュー画面や各種設定で自分の好みの値に設定しておきましょう。設定が終わったら、絞り変更ダイヤルを回してみてください。

絞り優先モードの条件

上の図のように現在の絞り値はF3.5になっていますので、ダイヤルを回して一番数値が小さくなるようにしてみます

絞り優先モードの絞りを1.4にする

絞り値がF1.4になりました。これで撮影してみます。

撮影方法はプログラムAEモードなどと同じです。AF枠にピントを合わせたい被写体を重ねてからシャッターボタンを半押しにし、構図を決めてシャッターボタンを押し込みます。

絞りF1.4で撮影

上の写真は絞り値F1.4の条件で、一番手前の缶コーヒーにピントを合わせて撮影してみました。奥はよくボケています。

絞りF2.8に変更

次にダイヤルを少し回して、絞り値をF2.8に設定し、同じ構図で撮影してみます。

絞りF2.8で撮影

缶コーヒーには同じようにピントが合っていますが、奥のぼけかたが少し弱くなったように見えます。同じようにどんどん絞り値の値を大きくしていきましょう。

絞りF8で撮影

絞り値をF8で撮影、ムヒはもちろん、サロンパスにもピントが合って見えます。

絞りF16に変更

どんどん絞り値をあげていき、最後にF16まで絞り込んで撮影してみました。

絞りF16で撮影

F16で撮影すると、奥から手前までピントが合うようになり、手前の缶コーヒーから一番奥のスナック菓子までくっきり写るようになりました。

このようにF値を調整することで、同じ位置、同じ構図であっても作品の表現力を大きく変えることができるようになります。写真の主題だけを引き立てるのならそこにピントを合わせて絞り値を小さくすれば背景がきれいにボケてくれますし、絞り値を大きくすれば全体にピントが合った作品に仕上がります。

絞り優先モードは光量の調整やレンズの特性を引き出すこともできる

当然ながら、絞り値を小さくして絞りを開放すれば、多くの光を一度に取り込むことができますので、暗い場所でも手持ち撮影が容易になります。またその逆もありで、明るい場所でスローシャッターが必要な場合などはしっかり絞り込むことで、光の入る量を少なくすることができます。

絞り優先モードを使った例

また、少し難しい話になりますが、絞り値は単にレンズを通る光の量を変えるだけでなく、そのレンズのポテンシャルを大きく引き出すこともできます。レンズは、絞りを開放で撮影するより、いくらか絞って撮影したほうが画質が向上する性質を持っています。

そのレンズのおいしい部分を引き出してあげることもできますので、絞り値を変えることは、単にボケや光量だけをコントロールする機能ではないことを覚えておきましょう。

絞り値の範囲とシャッター速度に注意

絞り値はレンズによってはじめから決まっているため、レンズのスペックを超えた絞り値にすることはできません。

例えば絞り値がF3.5~F22までのレンズを使っている場合は、開放F値は3.5であるため、絞り値をF2.8やF1.4にすることはできません。「あれっ、F3.5より小さくならない」というのは故障ではないので注意しましょう。

また、ズームレンズで焦点距離によってF値の値が変化するものもあります。広角側ではF3.5まで絞り値を小さくできたのに、望遠側にするとF5.6までしか小さくならないレンズもあります。

また、絞り優先モードでは絞り値を任意に設定できますが、その絞り値に合わせてシャッター速度が自動的に変わります。あまりに絞り値だけにこだわりすぎてしまうと、無理な撮影条件になってしまうことがあります。

例えば、暗い家の中で絞り値をF8に設定し、手持ち撮影を試みたが、シャッター速度が1秒になってしまったため、手ぶれがひどくて全く撮れなかった…というケース。

三脚を使えば手ぶれの心配はなくなりますが、手持ち撮影時や、被写体が動いているシーンなどを撮影する際は、シャッター速度も加味しながら調整し、必要に応じてISO感度も調整するようにしましょう。

絞り優先モードで撮影しよう まとめ

  • 絞り優先モードはボケ量をコントロールできる
  • デジタル一眼レフカメラの撮影モードでは、絞り優先はお世話になる機会が多い
  • 基本的な設定はプログラムAEと同じ、撮影前に色合いやAFの設定をしておく
  • 絞り値を変えることで、ボケかたや光の入る量を調整できる
  • レンズには絞り値の可変できる範囲があらかじめ決まっている
  • 絞り値だけにこだわりすぎると、撮影が困難になってしまうケースもある

絞り優先はデジタル一眼レフカメラの魅力をしっかりと引き出すことができるモードです。これが使いこなせるかどうかで、ご自身の作品の幅にも大きな差が出ます。最終的には絞り優先モードをマスターして、皆さんの撮影バリエーションを増やしてみてください。

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