せっかくお気に入りの写真を撮ったのに、改めてカメラのモニターやパソコンなどで再生してみると「うっそ~!」なんてことありませんか?写真上達のコツは、失敗写真を見て「なぜ失敗したか」の理由を知ることが大切です。ここでは初心者にありがちな失敗写真例を原因とともにご紹介していきます。
失敗写真例と原因、アドバイスをご紹介
せっかくの夜景写真がブレブレに
上の写真は美しい夜景を手持ち撮影しました。撮影当時、カメラの液晶画面で見たときは気づかなかったけど、家に帰ってパソコンで見てみると・・・「あちゃ~!なんかブレてる」ってな写真になってたことはありませんか。
絞りを絞りすぎているか、ISO感度が低すぎるため、撮影した時のシャッター速度がスローシャッターになってしまい、手振れが発生している。
暗い夜景を手持ちでそのまま撮影すると、手振れを起こしやすくなります。できれば三脚を使ってじっくり撮影したいところですが、移動しながらやクルージング船などからの三脚撮影は難しいですね。
できるだけ絞り値(F値)を開放側へ開いて、ISO感度を上げましょう。広角側では20分の1以上の速いシャッター速度なら手振れは軽減します。
また、ISO感度を上げるのも有効な方法です。ISO感度を上げると画質は低下しますが、ブレブレの写真になるよりはよっぽどマシなので、感度を800~3200くらいまで上げてみましょう。
水族館で魚を撮ったら光って真っ白に
水族館でお気に入りの魚にカメラを向けて撮影してみたけれど、「何か真っ白になってる~」ってな写真になっていたことはありませんか?
水槽の正面からフラッシュを使って撮影している。
水槽や動物園など、窓ガラス越しに撮影する場合は注意が必要です。
まず、生き物に向けてフラッシュ撮影をするのはよくありませんので、フラッシュをなしにして撮影するのが基本です。中が暗く、どうしてもフラッシュ撮影をする場合はガラスから真正面でフラッシュを使うと、フラッシュの反射した光が映りこんでしまうので、少し斜めから撮影するといいでしょう。基本的に生物はフラッシュNGの場合が多いので、フラッシュ撮影OKかどうか事前に確認しておきましょう。
周りの映り込みが気になる場合は、レンズをガラス面に密着させて撮影すると写りこみがなくなります。
せっかくのスナップ写真が真っ暗になってしまった
テーマパークの室内で、幻想的な氷の世界を損なわないために、わざとフラッシュを使わず撮影したんだけど、人物がシルエットになって真っ黒になってしまった・・・
カメラが背景の明るさに露出値を合わせたため、暗い部分がシルエットになってしまった。
このような明暗差が大きい場所では、フラッシュを使うのが望ましいですが、フラッシュを背景本来の色が光ってしまい、幻想的な雰囲気が失われてしまいます。
この場合は露出補正をプラス側に補正して撮影するか、測光モードをスポット測光に切り替えて、人物の明るさに合わせて撮影してみます。人物が明るくなると、背景が白飛びしてしまう可能性がります。
露出補正で調整しきれないくらい明暗差が大きい場合は、フラッシュを使って撮影しましょう。
料理を撮影したら、何だか青っぽくなってまずそうに
出来立てあつあつのマーボー豆腐を料理投稿サイトに載せようと撮ってみたけど、何か色が青っぽくておいしそうに見えない冷めた写真になってしまった。本当はもっとおいしそうな色をしているのに・・・
ホワイトバランスの設定が間違っている。ホワイトバランスの設定を「白熱電球」にしてしまっていた。
急いで撮影してしまって、ついついホワイトバランスの設定が前のまま撮影してしまった場合など、変な色になってしまうことがあります。普段はオートホワイトバランスにしておけば失敗は少ないですね。
近年のカメラは料理を自動判別する機能がありものも多く、オートモードで撮影すれば失敗することは少ないですが、とくに温かそうなおいしい料理を撮影するにはホワイトバランスを「曇り」などを選ぶと温かい色になります。
シーン別撮影モードを「料理」に合わせることでも、おいしそうな色で撮影することができます。
これ以外に記録モードをRAWで撮ると後からパソコン等に現像ソフトでホワイトバランスを変更することもできます。
シャッター速度優先で、流れる滝を撮影したらまぶしくなってしまった
流れる滝を表現したくて、三脚を使い「シャッター速度優先モード」で2秒露出して撮影したら、まぶしくて真っ白な写真になってしまった。
ISO感度の上げすぎか絞りを開放している。レンズとカメラの性能の限界を超えている。
最低感度のISO100に設定して撮影しても、晴れた日中の屋外では、シャッター速度が遅すぎると真っ白になってしまうことがあります。設定のコツとしてはISO感度を最低にし、絞りをF8以上まで絞って撮影します。それでも明るい場合は、絞りをいけるところまで絞ります。
シャッター速度は1秒にしても、ギリギリ流れる滝を再現できますので、2秒のシャッター速度を1秒まで速めてみます。
それでも明るくまぶしくなってしまう場合は、カメラとレンズの限界を超えてしまっているので、NDフィルター(減光フィルター)などを使って強制的に光の入る量を少なくしましょう。
明るい日中に教会を撮影したら、空が真っ白に
明るい日中に外へ出て、教会を撮影してみたけれど、屋根と空が真っ白になってしまった。「本当は青い空だったのに」・・・屋外での景色撮影ではよくある失敗例です。
カメラが手前の教会に明るさの基準をあわせている(測光している)ため、教会より明るい部分が真っ白になって飛んでしまった。
空と建物というのは明暗差(コントラスト比)がとても大きいため、結構露出の調整がシビアになります。このような被写体の場合はカメラのAE(自動測光)も万能ではないため、自分の思っていた明るさに仕上がらない場合が多いです。
撮影した後、プレビュー画面をよく確認して、空が真っ白に飛んでいないか確認します。白くなっている場合は露出補正をマイナス側へ修正したり、マニュアル撮影ならシャッター速度を速くして、空が青くなるまで何度も撮影しましょう。
建物を暗めになるように調整しながら撮影すると、上手に青空も写せるかと思います。
電車を撮影したら、うまく撮影できなかった
電車が来るのをカメラを構えて待っていましたが、予想以上に電車が速く、画面から列車が切れてしまった上に、電車がブレてしまっています。「せっかく待って撮ったのに・・・」
連続撮影になっていない。シャッター速度が遅すぎる。ピントを置きピンにしていない。
動いている列車の撮影は、風景などと違ってチャンスが一瞬しかないため、ワンショット撮影(一枚撮影)にすると絶好の構図を逃してしまったりするので、必ず連続撮影(連射撮影)にしましょう。
また、中途半端なシャッター速度では電車が速すぎてブレる(被写体ブレ)ので、500分の1より速いシャッター速度で撮影すると、ブレが少なくなります。
また、動いている列車にピントを合わせるのは至難の業です。あらかじめピントが決まる位置を決めておき、マニュアルフォーカスにてピントを合わせておきましょう。
赤い夕日を撮ったのに、思ったより赤くならない
真っ赤に染まった感動的な夕日を撮ってみたんだけど・・・「ありゃ?思ったより赤くならないや」 せっかくの夕日もあまり焼けていない写真になってしまいました。
シャッター速度が速すぎる。(露出補正をしていない)
ホワイトバランスがオートになっている。
夕日・朝日の場合はどうしても明るくなりがちの写真になってしまうので、マニュアル撮影以外では露出補正をマイナスに補正します。
さらにホワイトバランスの設定も重要になってきます。オートにすると白っぽくなってしまうので、曇りや日陰に設定することで、かなり赤い写真に仕上がります。
露出補正をマイナス1 ホワイトバランスを「曇り」にして撮影してみました。同じ状況でもここまで赤くなりますが、島などはシルエットになります。
きれいな満月が真っ白な玉に写ってしまった
きれいな満月のお月様・・・ 思わず外に出て撮影したけど、「何か真っ白な玉になってるよ~」 ってなことはありませんか。
オートで撮影している。
夜の月はお月様以外が真っ暗なので、オートで撮影するとカメラが暗い背景の部分も考慮して明るさを決めてしまうため、どうしても月自体を明るく撮影してしまいます。
月の場合はオートモードだと上手に撮影できません。マニュアル撮影モードにして、絞りを開放~F8程度にし、シャッター速度をいろいろ変えていくといいでしょう。
絞りをF8でISO感度を100に設定した場合、1/200から1/320程度、手持ち撮影でISO感度を400に設定した場合は1/800くらいのシャッター速度にすると、満月なら上のような写真が撮れます。
山の景色を撮影してみたけれど、パッとしない
透き通るような青い空と緑の山の景色を撮ってみたんだけど、「あれ?空は白っぽくなっているし、緑も黒っぽくなってる」
露出が明るくなりすぎている。
逆光気味になって全体がフレアな状態になっている。
PL(偏光)フィルターを使っていない。
感動的な青い空や山の緑を写真で表現するのは少し難しく、光の当たり方や露出補正、それなりの装備をしないと上手に撮影できません。
一番簡単な方法は露出補正をマイナスへ修正することで、空の色が白から青へ変わりますが、回りの景色も暗くなってしまうので、それなりに調整しなければいけません。
逆光はコントラスト低下の大きな原因で、写真全体が白っぽくなってしまいます。逆光はどうすることもできませんので、時間や時期を変えるしか方法がないです。できるだけ逆光状態にならないように撮影するのも大切です。
また、PLフィルター(偏光フィルター)を使うことで空をより青く、光の反射が少なくなり葉はより青くなりますので、本気で景色撮影を楽しむならPLフィルターは準備しましょう。
現像ソフトで強制的にレタッチすることで、空の青さを表現することもできます。コントラストを調整したり、霞を除去するなどの機能など、鮮やかにする設定がいつくかあります。
何か光の影が写りこんでいる
きれいな梅の花を撮影してみたけれど、写真の左下や右上に緑色の光の影が写ってしまっているし、写真自体もまぶしくなってしまった。
逆光や太陽に向けて撮影している。
レンズフードをしていない。
このような現象は太陽が出ている屋外で、逆光やカメラの向きが太陽に近いとよく発生します。写真の左下や右上に出ている緑色の影はレンズフレアと呼ばれるものです。
これらはどんな高性能なレンズでも発生する可能性があるので、太陽を背や横に向けて撮影するのが効果的です。レンズフードを取り付けることである程度軽減できますが、完全に防ぐものではありません。できれば逆光を避けて撮影するとよいでしょう。
撮影した後、プレビュー画面をよく確認して、空が真っ白に飛んでいないか確認します。白くなっている場合は露出補正をマイナス側へ修正したり、マニュアル撮影ならシャッター速度を速くして、空が青くなるまで何度も撮影しましょう。
カメラのよくある失敗写真例 まとめ
ここではさまざまなシーンの失敗写真の例と原因、回避するためのアドバイスなどについてご紹介させていただきました。誰でも失敗写真は量産してしまうので心配する必要はありませんが、同じ失敗を繰り返さないことが上達の近道とも言えます。
上記を参考にしながら、上手な写真の撮り方を研究してみてください。