高倍率ズームレンズの特徴・メリット・デメリット

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レンズ1本で広角から望遠まで幅広い撮影ができる高倍率ズームレンズ。カメラをやっている人からみれば「あれは邪道だ」とよく言われますが、果たして本当にそうなのでしょうか。画質がネックだと言われてきた高倍率ズームレンズですが、近年では技術も進み、正に「鬼に金棒レンズ」になりつつあるようです。ここではメリットやデメリットを考えながら、高倍率ズームレンズについてご紹介したいと思います。

一眼レフ・ミラーレス一眼における高倍率ズームレンズとは

ズームレンズは、焦点距離が可変できるレンズのことを指します。入門機に付属されているような標準レンズなどでは、焦点距離が18~55mmなどとなっており、おおむね3倍程度のズーム幅があります。

一般的なズームレンズにおいても2~4倍程度のズーム幅のレンズが多く、広角なら広角、標準なら標準と、そのレンジで焦点距離が可変できるようになっているものが多く出回っています。

一方、高倍率ズームレンズと呼ばれるものは、広角・標準・望遠域でのレンジの壁がなくなり、1本で広角から望遠まで焦点距離が可変できるレンズのことを言います。

例えば焦点距離が18mm~135mm、18~270mmなど、可変できる焦点距離の幅が広く、中には18~400mmと、倍率が20倍以上と広角から超望遠まで1本でこなせるレンズも登場してきました。

高倍率ズームレンズの種類

左はAPS-C向けCanon高倍率ズームレンズで、中央は同じくニコンのAPS-C向け高倍率ズームレンズ。これらは1本で18-200mmの実用焦点距離をすべてこなすことができます。

右はレンズメーカーであるタムロンから発売されている高倍率ズームレンズで、18-400mmまで対応しています。狭い室内の広角撮影から月などの天体撮影までこのレンズ1つで対応できます。

ビデオカメラやコンパクトデジカメでは10倍ズームや20倍ズームといったものが発売されていますが、あれと同じ感覚でデジタル一眼レフカメラで撮影ができると思ってもらえばよいでしょう。

高倍率ズームレンズのメリット

それでは高倍率ズームレンズを使用することで、どのような恩恵やメリットがあるのでしょうか。

高倍率ズームレンズは1本で広角から望遠までこなせる

実際に使った人しか分かりませんが、高倍率ズームレンズはとにかく便利です。広角と望遠を瞬時に切り替えたいときや、急にやってきたシャッターチャンスでも、自分の決めたい構図や画角で撮ることができますので、このフットワークの軽さは高倍率ズームレンズの1番のメリットかと思います。

高倍率ズームレンズのメリット

レンズが別々ですと、それぞれの焦点域に合わせたレンズを都度購入しないといけませんし、予算的にも場所的にも圧迫されます。高倍率ズームなら1本あるだけで他には何もいりません。

高倍率ズームレンズはレンズ交換の手間が不要

せっかくレンズが交換できる一眼レフカメラを持っているのに・・・と、これを言ってはおしまいかもしれませんが、レンズ交換をしないまま、高倍率ズームレンズ1本で撮影している人も大勢おられます。

レンズ交換の手間がないのはとても楽ですし、短い時間やわずかなシャッターチャンスに、わざわざレンズを取り換えていては、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性もあります。

レンズ交換の手間があるとシャッターチャンスを逃したり、焦ってレンズを割ってしまったりする

また、初心者ほどレンズ交換には時間がかかってしまうものです。慌ててレンズを交換しようとしてしまい、うっかりレンズやカメラを落としてしまうこともあるので、レンズ交換が不要な高倍率ズームレンズは、そういった煩わしさから解放されますね。

撮影機材が少なくて澄む

旅行や山登りなど、できるだけ荷物を少なく軽くしたいときに、たくさんの交換レンズを持って行くには重いですし、場所も取って邪魔になります。高倍率ズームレンズであれば1本カメラに取り付けておけばOKなので、機動性に優れるのは間違いありません。

高倍率ズームレンズはハイキング・登山・旅行・街歩きや散策によい

ハイキングや登山はもちろん、旅行や街歩き、周辺の散策など歩き回ることが多いシーンでも高倍率ズームレンズはおすすめです。家族旅行などでお子様を撮影するときも便利ですね。

筆者自身も子連れでスナップ撮影をするときは、高倍率レンズを1つ持って出かけてしまいます。

高倍率ズームレンズは望遠マクロ撮影が得意

高倍率ズームレンズは最短撮影距離が短いため、被写体に近寄って撮影するのも得意です。特に望遠側ではそれなりのテレマクロ撮影も出来てしまうので、ぐっと寄って背景をぼかすことも可能です。

高倍率ズームレンズは望遠マクロ撮影が得意

交換レンズは望遠側でも広角側でも最短撮影距離は同じなので、撮影可能距離ギリギリまで寄ってから望遠にして撮影すると、被写体を拡大して撮ることができます。

高倍率ズームレンズのデメリット

フットワークの良さでは高倍率ズームレンズに軍配が上がりますが、メリットばかりではありません。高倍率ズームレンズのデメリットや弱点についても頭に入れておきましょう。

レンズ自体が重く大きくなりがち

これは仕方がありませんが、高倍率ズームレンズは幅広い焦点距離に対応できるため、レンズの枚数が多くレンズ構成も複雑になり、レンズの口径も大きめになっています。そのためレンズ自体が重く大きくなってしまうのが弱点です。

長時間カメラを肩にぶら下げていると、それなりにずしっと来る重さなので、疲れやすくなりますね。広角や望遠を目まぐるしく変えるシーンでは使えますが、広角しか撮らないというようなシーンでは、その重さが足かせになることもあるでしょう。

しかし近年では高倍率を維持しつつ、軽量化が進んでいるレンズもあります。

絞りが大きくできず暗いレンズになりがち

高倍率ズームレンズはレンズ構成が複雑なため、光の取り込める量に限りがあります。そのため全体的に暗いレンズになりがちです。焦点距離によって違いはあるものの、広角側でF3.5~4、望遠側ではF5.6~6.3程度の明るさになってしまうため、手ぶれしやすかったり、暗い場所での手持ち撮影、星空の撮影などは苦手です。

また開放F値が大きいため、広角側では被写界深度が深くなってしまい。被写体と背景の距離差が小さいとあまりボケません。単焦点レンズや明るいズームレンズに比べると広角側でのボケが苦手です。

気になる高倍率ズームレンズ画質は?

「高倍率ズームレンズは画質が悪い」と言われ続けてきましたが、実際のところどうなのでしょうか。

確かに厳密なチェックや見比べを行うと、単焦点レンズや高級レンズ、倍率の低いズームレンズに比べると、歪曲収差や色収差といった歪みの部分、解像感で劣ってしまうことは事実です。しかし、それは厳密に言われてみれば・・・というレベルであり、著書に画質が低下しているわけではありません。

特に普通に撮影したものを、L判サイズ程度に印刷したり、縮小してSNSなどにアップするような大きさにしてしまったら、ほとんど違いはないと思います。

そんな細かい画質のことをあ~だこ~だ言うより、メリットのほうがはるかに恩恵が大きいと言えますので、画質についてはそれほど気にしなくてもよいかと思います。

また近年ではサードパーティー製レンズを中心に、技術進歩により非常に高画質な高倍率ズームレンズも登場してきていますので、今後はシェアを伸ばしていくのではないかと考えております。

高倍率ズームレンズの上手な使い方

ここからは高倍率ズームレンズの弱点やデメリットをできるだけカバーする上手な撮影方法をご紹介いたします。便利なレンズなのでうまく付き合っていきたいですね。

明るい場所では適度に絞って撮影する

高倍率ズームレンズはF値が大きく暗いレンズになりやすいですが、それは暗い場所や室内での手持ち撮影などで不利というだけで、日中の明るい場所での撮影ではそれほど気にはなりません。明るい場所では程よく絞ることでレンズの解像感や画質が向上しますので、絞り開放を避けて撮影することがコツです。

高倍率ズームレンズは明るい場所では適度に絞って撮影する

このような明るい場所ではF8くらいまで絞って撮るのがベストです。屋外の日中は程よく絞りを絞って撮影しましょう。

望遠側で撮影してボケを活かす

高倍率ズームレンズは構造上暗いレンズになってしまうので、広角側ではあまり背景がボケません。望遠側を使うことで被写界深度が浅くなり、背景をキレイにぼかすことができます。また広角側で撮影する場合は出来るだけ被写体に寄って撮影しましょう。

高倍率ズームレンズは望遠側で撮影してボケを活かす

望遠側にして被写体にできるだけ近づければ、背景を綺麗にぼかすことができます。

暗い場所での撮影や望遠側での撮影はISO感度を上げる

高倍率ズームレンズは構造上明るいレンズにはできないため、暗い場所での撮影や望遠側での撮影では、手振れが気になりますね。最近の高倍率ズームレンズは手振れ補正機能が付いているものが大半ですが、それも限界があります。速いシャッター速度を期待できない時は、ISO感度を上げて手振れを補ってあげましょう。

高倍率ズームレンズは暗い場所での撮影や望遠側での撮影はISO感度を上げる

室内などの暗い場所はISOを400~800くらいまで上げれ撮影してみましょう。(1/焦点距離)秒以上のシャッター速度が確保できれば、手振れを抑えた撮影が可能です。

ダブルズームレンズと高倍率ズームレンズ どっちがいいの?

デジタル一眼レフカメラの入門機では「ダブルズームキット」や「ダブルレンズキット」など、18mm~50mm程度の標準ズームレンズと50mm~200mm程度の望遠ズームレンズがセットになっているものがあります。

2種類のレンズを交換することで、18mm~200mmまでの焦点距離をカバーできますが、高倍率ズームレンズを使うと18mm~150mm程度までの焦点距離を1本でカバーすることができます。

初心者の方がデジタル一眼レフカメラを購入する場合、大半の人が標準ズームレンズがセットになったレンズキットや、さらに望遠ズームレンズがセットになったダブルズームキットを買われることでしょう。

これらのレンズはコストパフォーマンスがよく、セットになっているためとても安く買うことができます。

一方でボディ本体と高倍率ズームレンズを別々で購入すると、場合によっては少し割高になることがありあります。画質的にはキットレンズも高倍率レンズも大きな差はありませんので、予算的に余裕があれば初めからカメラボディ単体と高倍率ズームレンズを一緒に買うのがおすすめです。

キットレンズと高倍率ズームレンズを別々で買ったときの比較

例えば上のずのようなパターンで考えてみましょう。Canonのミラーレス入門機での比較ですが、EOS-R50のダブルズームキット(ボディ+標準ズームレンズ+望遠ズームレンズ)では、セットでだいたい15万円くらいで購入できます。

またキットレンズは買わず、EOS-R50のボディのみと、高倍率ズームレンズを別々で買うと、だいたい17万円くらいで購入できます。

この場合は別々で買うほうが少し割高になりますね、しかしタイミングによってはもっと差が出たり、ほとんど変わらなかったりもします。また、レンズをCanonにこだわらなければ、タムロンやシグマといったサードパーティ製のレンズも発売されていますので、そちらの組み合わせもチェックしてみるといいでしょう。

レンズキットを買ってから高倍率ズームレンズを買うと、持ち運びやレンズ交換の手間がなくなるため、結局は高倍率が便利になり、キットレンズはやがて使われなくなってきますね。

管理人おすすめの高倍率ズームレンズ

ここでは管理人おすすめの高倍率ズームレンズをご紹介いたします。

Canon系一眼レフカメラ EF-Sレンズ使用時

Canonのデジタル一眼レフ「EOS-Kiss」シリーズを使っているのなら、これ1本で広角から望遠まで幅広く使うことができるレンズです。今まで標準キットレンズ「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」しか持っていない人のステップアップレンズとしておすすめです。日常で使う範囲の焦点距離がすべてカバーされているので、旅行やお出かけなどにも使えます。

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キヤノン
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Canon Nikon系一眼レフカメラ EF-S・ニコンFマウント

サードパーティ製の老舗タムロンから発売されている高倍率ズームレンズで、何とズーム幅は光学22倍。広角の18mmから超望遠と言われている400mmが1つになっており、天体撮影や明るい場所でのスポーツ撮影などにも威力を発揮します。レンズ自体は約700gと少し重めですが、レンズ交換の手間なく広角と望遠を切り替えられるため、レスポンスの高い撮影が可能となります。

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タムロン(TAMRON)
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高倍率ズームレンズの特徴・メリット・デメリット まとめ

  • 高倍率ズームレンズは1本で広角から望遠までこなせるレンズのことを言う
  • レンズを交換する手間がなくなり、交換時の落下リスクがなくなりシャッターチャンスに強い
  • 別々に交換レンズを持ち歩く必要もなくなるため、フットワークに優れる
  • 画質は単焦点レンズや高級レンズに比べると劣るが、実用レベルでは問題ない
  • レンズ自体が重くなるなど、弱点もあるのでしっかり理解しておく
  • 上手に使いこなすことで弱点はある程度抑えることも可能
  • キットレンズと高倍率ズームレンズを一緒に買うのは避ける

このように高倍率ズームレンズはメリットも多く、特に手軽に一眼レフ撮影をしたい方や、荷物をできるだけ少なくしない人に向いています。上記を参考に高倍率ズームレンズの特徴を理解していただき。検討してみてください。

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