オートフォーカスが苦手なシーン

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デジタル一眼レフ・ミラーレス一眼カメラの初心者トラブルで多いのが、AFのピントが合わない、合わせづらいといった声。以前に比べればピント合わせの性能も格段に上がりましたが、カメラの構造やシーンを把握し、ピント合わせの得意・不得意を理解することが大切です。ここでは初心者がつまづきがちなAFでのピントが合わないトラブルについてご紹介していきましょう。

どのようなシーンでAFが働きにくくなるのか

シャッターボタンを半押しにしてピントを合わせようとしても、なかなか合わなかったり、焦点が行ったり来たりして決まらないなど、ピント合わせができない状況を経験したことがあるかと思います。

これは、カメラのAF(オートフォーカス)が正しい距離を測ることができず、ピントを合わすことができないことを意味します。ではどんな状況下でそのような状態になってしまうのでしょうか。AFも機械が行うため、シーンによっては苦手な場合もあります。まずは苦手なシーンについて考えてみましょう。

暗い場所

カメラも人間の目と同じ、光や明暗差を感じて距離を測ります。光が当たらない真っ暗な場所であれば当然ピントを合わせることはできません。また、実際には見えていても暗い場所であれば、AFが正しく距離を測れないことがあります。

同じ模様が規則的に並ぶ被写体

ビルの窓やパソコンのキーボードなど、模様が繰り返されているような被写体もピント合わせが苦手です。

同じAF枠内に異なる距離の被写体が混在する場合

ピントを合わせるAF枠の中に、奥と手前に異なる距離の被写体が混在する場合は要注意です。例えば、目の細かい金網や網戸越しに撮影する場合や、木の葉が揺らいでいる間から奥の景色を撮ろうとする場合などに発生しやすくなります。

明暗差(コントラスト差)がない被写体

雲一つない空(雲で真っ白な空)、同じ色の壁紙、真っ白に降り積もった雪の地面など、明暗差がほとんどない被写体ではAFが正しく働きません。

反射光の強いもの

夜景撮影時にまぶしい照明がAF枠に入っていたり、車のボディやつるつるしたものに太陽光が反射している光がAF枠の中に入ると、ピントが合いにくくなります。

カメラのピントを上手に合わせるには

ピントを上手に合わせるコツは、程よくコントラスト差があるものをAF枠の中に入れることが鉄則。特にAF枠を1点に設定している場合は、その小さな枠内にコントラスト差があるものを重ねる必要があります。状況によっては、ゾーンAFなどでAF枠を大きくしたほうが有利になる場合もあるので、積極的に活用するようにしましょう。

カメラのピントの合わせ方

例えば上のような空の場合、どこにAF枠を合わせればよいでしょうか。

ピントが合いやすい場所でそうでない場所

黄色の場所は単色でコントラスト差が少ないため、このあたりにAF枠を重ねても、ピントがなかなか合いません。赤い枠の白と青が混在するような場所でAF枠を重ねると、ピントが合いやすくなります。このような空を撮影する場合は、AFモードを自動選択にしてしまう方法もよいでしょう。

ピントを合わせやすい場所を探す

上の写真のようなシーンでは、ピントを合わせやすい場所が複数あります。手前の岩にピントを合わせるのなら、空と岩の境目にAF枠を重ねます。背景にピントを合わせるのなら、雲や山の稜線、水平線にAF枠を重ねるとよいでしょう。空や真っ黒になっている岩の中央は、色が単調なのでピント合わせが難しくなります。

AF枠がが手前にかからないよう注意する

上の写真のように複数の葉っぱや、金網などが手前にある場合は、AF枠を手前の被写体にかからないようにします。少しでも手前の被写体にAF枠がかかってしまうと、カメラがどちらにピントを合わせたらよいか迷ってしまい、焦点が行ったり来たりします。

コントラスト差がある場所にフォーカス枠を重ねる

実際にファインダーを見ながら撮影した場合、×印のついている場所にAF枠を合わせても、コントラスト差がないため、それ以外のAF枠でピントを合わせましょう。

どうしてもAFで合わないときは、マニュアルフォーカスでピントを合わせる

このようにできるだけAFが正しく働くようにAF枠を重ねることが大切ですが、さまざまな状況下で撮影していると、どうしてもうまくピントを合わせられないシーンもあるかと思います。そんな時は無理してAFにこだわらず、素直にMF(マニュアルフォーカス)にしてピントを合わせましょう。

レンズについているフォーカスモードのスイッチをAFからMFへ切り替えます。機種によってはカメラ本体でフォーカスモードを切り替えるものもありますので、設定でMFに切り替えましょう。MFに切り替えたら、ファインダーを見ながらレンズのピントリングを回して合わせます。ファインダーを見ながらピントを合わせるのは慣れが必要なため、初心者の方はライブビュー撮影で画像を拡大してピントを確認するとよいでしょう。

金網ごしの撮影はAFが使えない

このような目の細かい金網ごしに撮影する際は、AF枠に重なってしまうため、MF(マニュアルフォーカス)で撮影するほうが確実です。

上記を試してもAFでピントが合わない場合は

上記の方法を試してもAFでピントが合わない場合、他の原因を疑いましょう。

フォーカスモードがMFになっていないかチェック

初心者の方がやりがちなミスですが、フォーカスモードがMFモード(マニュアルフォーカスモード)になっているのに気がつかないことがあります。近くや遠くにカメラを向けてシャッターを半押ししても、うんともすんとも言わない場合は一度フォーカスモードを確認しましょう。気づかず写真が微妙にボケていて全滅… という話もよく聞きます。

被写体がレンズの最短撮影距離より近い

各レンズには最短撮影距離というものがあり、当然ながらそれより被写体が近いとどれだけ頑張ってもピントは合いません。接写するときや望遠レンズを使う時は要注意、最短撮影距離より近くなっていないかチェックしましょう。

AF枠以外の場所でピントを合わそうとしている

ピントはAF枠に重ねた場所で合わせようとしますので、AF枠以外の場所ではピントが合いません。ファインダーを見ながら撮影する場合はAF枠以外の場所でピントを合わせることはできないので、ライブビュー撮影にして任意の場所でピントを合わせるようにしましょう。

ミラーレス一眼カメラを使っている場合は、AF枠を大きくさせたり移動させたりして、枠をピントの合わせたいものに重ねてください。

オートフォーカスが苦手なシーン まとめ

  • AFは暗い場所や極端な明暗差、またコントラスト差がない場所で苦手
  • AF枠にはできるだけ程よいコントラスト差の被写体を重ねる
  • どうしてもピントが合わない場合は、マニュアルフォーカスで撮影する
  • しっかりピントを合わせて撮影したときは、その都度AF枠の位置を変える

オートフォーカスも万能ではなく、苦手なシーンや被写体が多くあります。これらの特性を理解すれば、短時間で上手にピントを合わせることができるようになります。他にもピントが合わない理由もありますので、上記を参考にしながら上手にピント合わせを行ってみてください。

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