カメラや写真のフレアやゴーストについて

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太陽光や強い照明をカメラのフレームに入れて撮ってしまうと、一部が白っぽくなってしまったり、緑や赤の光の玉や影が写真に写りこんでしまうことがあります。これはフレアやゴースト現象と呼ばれるものです。ここではカメラのフレアやゴースト現象についてご紹介したいと思います。

フレアとは強い光源によってコントラストが低下する現象

フレアは、太陽光や強い光源がカメラのフレームの中に入っているときに、光源及びその周辺が白っぽくなってしまい、コントラストが低下する現象のことを言います。

フレアでコントラスト低下する写真
右上に太陽光があるので、白っぽくコントラストが低下している
夕日や朝日でフレアが発生
夕日や朝日などは、全体的にフレアが発生し、白っぽくなっている
夜景でも強い照明でフレアが発生する
夜景などでも極端に明るい照明があると、光源を中心に白っぽくなってしまう

日中であれば太陽光が直接フレームに入るようなシーンや、太陽光が入らなくても逆光時でもフレアは発生しやすくなります。また、夜景などの撮影においても、極端に明るい照明をフレームの中に入れてしまうと、その周辺が白くなってしまうことがあり、これもフレアの原因となります。

フレアはフレーム内に大きな光源があることで、全体が白っぽくなりコントラストが低下する。

ゴーストはレンズの反射による写りこみで現れる現象

ゴーストは、強い光源がレンズに反射したり写りこんでしまうことで発生します。丸い玉や絞りの形のようになって、直線的に並ぶように写りこんだり、大きい輪や線になるようなこともあります。色も緑や赤などさまざまです。

太陽光をフレームに入れるとゴーストがよく発生する
屋外で太陽光をフレーム入れると、太陽光から放射状にゴーストが出ることがよくある

ゴーストも太陽光や強い光源をフレームに入れた際にフレアとセットで発生しやすく、光源の位置や角度によって目立つこともあれば、スッと消えることもあります。

複雑な点光源が多いと、ゴーストが発生しやすい
複雑な点光源がいくつもあると、このようにたくさんのゴーストが連なって出ることも

またレンズの種類によっても発生したりそうでなかったりするので、あるレンズでは盛大にゴーストができるのに、レンズを交換したとたん発生しなくなったということもあります。

一概には言えませんが、良いコーティングが施されている高いレンズほど、ゴーストが発生しにくいと言われています。

フレアやゴースト対策

フレアやゴーストは、構図や向きを少し工夫すれば大きく軽減できます。

逆光を避けて撮影する

フレアやゴーストは強い光の写りこみが原因ですから、逆光で撮影しないことが大切です。特に明暗差の大きい明るい場所はフレアの元となりますので、コントラスト重視でいくなら逆光を避けて撮影しましょう。

フレームに太陽光や強い光源を入れない

フレーム内(ファインダー内)に直接太陽光や強い光源を入れないようにしましょう。朝日や夕日など、太陽光自身が被写体になる場合を除き、フレームに太陽光を入れないように注意してください。

夜景の撮影の場合も、街灯など強い照明がフレームに入らないようにすることで、フレアとゴーストを抑えることができます。

カメラの向きやフレーム位置を変えてみる

特にゴーストは、光源の向きや場所によって軽減されることがあります。大きなゴーストが発生している場合でも、少しカメラの向きを変えてみたり、光源の位置を変えることでゴーストが消えることもあるので、いろいろ試してみましょう。

レンズフードを使用する

レンズフードはレンズの先端に取り付ける庇(ひさし)のようなもので、斜めから入る強い光を遮る役割があります。直接フレームに入り込む光に対しては防御できませんが、フレーム外から入り込む光を抑えることができるので、レンズフードはフレアやゴースト対策にはおすすめのアイテムです。

ハレーション切りをする

ハレーション切り(通称ハレ切り)は、レンズフードの上位互換のような特徴があり、レンズフードでも防ぎきれないような斜めからの光の侵入を物理的に遮る方法です。

遮る方法はノートや段ボール紙など、光を遮ることさえできれば何でも代用できます。最悪手のひらでも防御することができます。

レンズのコーディングがよいものを使う

結論を言うと「よいコーディングのレンズ=値段が高い」・・・ということになってしまうのですが、フレアやゴーストの原因はレンズによる光の反射によるものなので、光が反射しないレンズを開発できれば、写りこむことはありません。

残念ながら100%反射を抑えるレンズはないものの、レンズ表面にコーティングを行うことで、光の反射を軽減させることができます。反射防止コーティングは高級レンズに施されていることが多く、Canon系ではASC(Air Sphere Coating)やSWC(Subwavelength Structure Coating)、Nikon系ではメソアモルファスコートやナノクリスタルコートなどと呼ばれています。

結果的に良いレンズほどコーディングもよいので、フレアやゴーストが発生しにくくなっています。逆にコーティングがないオールドレンズなどは盛大にフレアやゴーストが発生します。

フレアやゴーストをあえて入れる表現方法もあり

これまではフレアやゴーストを発生させない方法をいろいろご紹介してきましたが、フレアやゴーストが悪ということではなく、それらをうまく取り入れて写真として表現させることもできます。

フレアは白っぽくなりコントラストが低下する一方で、やらわかくふわっとした印象になるため、あえてフレアを入れて作品にしてしまう写真家さんもいらっしゃいます。

フレアを逆手にとって雰囲気のある写真にする
フレアを写真に取り込むとやわらかい雰囲気になる
逆光でわざとフレアを発生させることで、ふわっとした雰囲気になります

カメラのフレアやゴーストについて まとめ

  • フレアは強い光源を中心に白っぽくなり、コントラストが低下する現象
  • ゴーストは丸い玉や光の筋が写真に写りこむ現象
  • どちらも強い光がレンズに反射することで発生する
  • 強い光源をフレーム入れたり、極端な逆光、点光源がたくさんあるシーンで発生しやすい
  • カメラの位置や向きを変えたり、斜めからの光を遮ることでフレアやゴーストを軽減できる
  • 反射を抑えるコーティングがよいレンズほど、フレアやゴーストを抑えることができる
  • フレアやゴーストは悪ではなく、うまく取り入れると雰囲気のある写真にも仕上がる

フレアやゴーストは強い光がレンズを通るときに、一部が反射して起きる現象です。通常の撮影ではコントラストがなくなったり、不要な光が入ったりと邪魔な存在になりがちですが、上手に取り入れることで味のある写真にすることもできます。上記を参考にフレアとゴーストの知識を深めてみてください。

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